伊勢路旅(21)三重県度会郡大紀町(2)
三重県度会(わたらい)郡大紀(たいき)町の魅力について取り上げている。前号では伊勢神宮の別宮にあたる「瀧原宮」についてふれた。今週は「瀧原宮」の程近くで、町内の魅力を発信する道の駅を紹介したい。
そもそも大紀町は平成17年、旧大宮町、旧大内山村、旧紀勢町が合併してできた町。沿岸の錦漁港はブリの町として知られ、内陸部では農業、山間部では林業や酪農が盛ん。「大内山牛乳」の名は、和歌山県内のスーパーマーケットなどで目にすることも多い。
大紀町のほとんどは伊勢国の領域であったが、錦漁港がある旧紀勢町錦地区だけは、天正10年(1582)に当時の新宮城主により紀伊国に編入。旧紀勢町は伊勢国と紀伊国それぞれに属していた村が合併してできた町で、紀伊の「紀」と伊勢の「勢」を合わせて「紀勢町」と名付けられたという。
「道の駅木(き)つつ木(き)館」は、木造の大屋根が特徴の施設。大紀町七保地区が松阪牛の生産区域に指定されていることから、館内のレストランでは松阪牛を使った料理をはじめ、伊勢名物の伊勢うどんなど、地域の食材を味わうことができる。
また、土産コーナーでは大内山牛乳の乳製品や地元で捕れた猪肉や鹿肉の生肉やしぐれ煮、天然のアユの甘露煮などが販売されている。
特にお薦めしたいのが木工品のコーナー。尾鷲ヒノキを用いた、まな板やおわん、さじなどの家庭用品はもちろん、大きなテーブルや椅子が展示販売され、オーダーメードの依頼までできる。
伊勢の玄関口でありながら、紀州の雰囲気を感じられる町。瀧原宮参拝と合わせてぜひ訪れてみてほしい。アクセスはJR「瀧原駅」から徒歩約20分。国道42号に面し「瀧原宮交差点」すぐ。
(次田尚弘/大紀町)