西脇小創立140周年 住民招き記念行事

和歌山市立西脇小学校(同市西庄、田窪佳寿子校長)は本年度で創立140周年を迎え、6月29日、同校で記念行事が開かれた。同校を支える人々への感謝の気持ちを込め、学校との結び付きをさらに深めるため、地域住民らを招き、児童の舞台発表や会食などを交えて節目を喜び合った。

同校は、前身である西庄小学校(児童29人)が明治9年6月に、本脇小学校(同82人)が同34年10月に創立された。大正9年3月に現在地に校舎が移り、地域の教育や文化活動の拠点、交流の場であり続けてきた。

記念行事はまず、体育館で全校集会を行い、児童449人と地域住民43人が集まった。田窪校長が同校の歴史について解説し、続いて3年生による校区探検の発表があり、校区で見つけた建物や店などをクイズを交えて紹介した。

また、卒業生が作詞した「ぼくたち西脇の子どもやでェ」を全員で合唱。同校が30年間続けている地元の清掃活動に対し、磯ノ浦観光協会の杉本慶蔵会長からお礼のクリアファイルが贈られた。

集会の後は各教室で児童と地域住民が会食。児童は昔の学校生活などについて話を聞き、今と昔の校舎の違いや、給食がなかったころの学校生活の様子などに耳を傾けた。

午後は地域住民による「お話し会」が開かれ、語り手の松田勇さんは、古い木造校舎の写真を児童に見せ、当時の学校生活について説明。プールがない代わりに海に行って泳いでいたことや、教室は隙間が多くて寒かったことなどを話した。児童からは「昔の宿題は何があったのか」「体育の時間は何をしていたのか」などの質問も寄せられた。

5年生の岡村虹龍さん(11)は「体育館が小さかったことや、児童数が1000人以上もいたことに驚いた」と、今の学校との違いに興味を抱いた様子。松田さんは「自分の小学生当時のことをそのまま話しました。皆が真剣に聴いてくれたので、こちらも真剣に話せました」と笑顔だった。

田窪校長は「地域の皆さんも子どもたちも笑顔で良い時間を過ごせました。子どもたちが学ぶだけでなく、心の交流もでき、地域との結び付きが深まったと思います」と語った。

給食を交えて語り合う児童と地域住民

給食を交えて語り合う児童と地域住民