NYでアート交流 小池さんがグループ展
和歌山市西高松の中学校美術講師、小池眞千子さん(65)が、ニューヨーク(NY)のギャラリーでグループ展を開催。市民ら大勢が訪れるなど、盛況だった。小池さんが和歌山市のギャラリーで知り合った作家も誘って開かれ、小池さんは「向こうの美術館やギャラリーでいろんな作品を見ましたが、アメリカのアートは少し低迷しているように思います。そんな中、今回の日本の作品は刺激的だったのでは」と話している。
展覧会は、小池さんが約20年前に通ったNYのアートスクールで出会った、現地在住のギャラリスト・森川紗衣さんが呼び掛け人となり、日本人アーティスト13人が参加し、7月27日~8月7日に開かれた。
小池さんの海外での作品発表は初めて。「津波」と「再生」をテーマにした、抽象的な造形の銅版画2点を出品。日本画や油彩、立体など、作風もさまざまな約30点が並び、約2週間の開催で、市民や観光客らが大勢来場。現地テレビ局やFM放送局の取材を受けるなど、反響も大きかったという。本紙でも連載中の、NYに活動拠点を移した太地町出身の書画家・NY県人会の田中太山さんも来場し激励した。
展覧会には、小池さんの誘いで、和歌山市内の展覧会で出会った名古屋市の現代アート書道家・小林勇輝さんも参加し、併催で個展を開いた。小池さんが、昨年和歌山市のMsギャラリーで開かれた小林さんの個展を訪れたのをきっかけに、交流が始まった。
小林さんは、先日開かれた伊勢志摩サミットで、参加国の首脳をもてなす昼食会で使われた、平和への祈りを込めたデザインのコーヒーカップとソーサーを手掛けたことでも話題になった若手作家。
初の海外個展だったが、文字の集合体を造形的に表現する作風は高い評価を受け、小林さん自身も大きな刺激になったようだったという。
小池さんは「世話好きというか、おせっかい焼きというか…。自分のことよりも、才能のある人を応援したくて、つい動いてしまうんです。小林さんも、とても喜んでくれて良かったです」と笑顔。
今回の展覧会で一層絆を深めた仲間の個展をMsギャラリーで開く企画も進行中で、小池さんは「これからも人とのつながりを大切に、少しでもNYと和歌山の懸け橋になれればと思います」と話している。