観光客入込数が史上最高に 27年県まとめ

平成27年に県内を訪れた観光客総数は約3339万9000人(前年比8・4%増)で、過去最高に達したことが県の観光客動態調査(確定値)で分かった。外国人宿泊客数は過去最高だった前年から40・9%増の大幅な伸びを示し、約42万8000人を記録した。

県によると、総数のうち、日帰り客は約2771万3000人(前年比8・1%増)、宿泊客は約568万6000人(同9・7%増)。

過去最高を達成した要因は、25年の伊勢神宮式年遷宮から26年の世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」登録10周年、27年の高野山開創1200年に至る3年間の「ゴールデンイヤー」を中心に、継続的、集中的に県の魅力をメディアなどを通じて発信してきた成果の他、白浜のパンダブーム、高速道路の延伸による移動時間の短縮などが挙げられる。

過去最高を大幅に更新した外国人宿泊客数は42万7594人。県の認知度を高めるため、年間30回に上る海外プロモーションや、50回に上る各市場からのメディア取材やエージェントの下見支援などの取り組みが功を奏した他、航空路線の拡大、燃料サーチャージの値下がりによる航空運賃の低下、円安による割安感の定着などが要因と考えられている。

外国人宿泊客の割合を国・地域別で見ると、1位は中国の23・0%、2位は香港の22・8%、3位は台湾の18・8%と続き、アジアが75・6%を占めた。欧米豪は計18・7%で、フランスが3・4%、米国が3・3%と多くなっている。

今後のさらなる誘客促進に向けた県の取り組みでは、週末に気軽に高野山を訪れ、宿坊泊や写経、精進料理など高野山ならではの体験が楽しめる旅行プランを提案している他、NHK大河ドラマ「真田丸」にちなんだ「戦国わかやま誘客キャンペーン」、意外性のある「水」をテーマにした「水の国、わかやま。」キャンペーンの展開、日本遺産に認定された熊野灘の捕鯨文化の情報発信などを打ち出している。