ウガンダのカトー選手と対戦 明和中で交流
アフリカ・ウガンダから和歌山大学野球部に留学しているカトー選手(19)と中学球児との交流行事が16日、和歌山市紀三井寺の市立明和中学校(西川彰彦校長)で開かれ、野球を通じた国際交流が展開された。
カトー選手は8月末に来日。投手として同大野球部で汗を流す傍ら、プロ野球選手も通う大阪府堺市のトレーニング施設でフォームの矯正や高度な技術の習得に励んできた。独立リーグ入団を目指し、12日に大阪府吹田市で開かれたトライアウトに参加し、1次試験のブルペン投球で10球余りを投げ込んだが、制球に苦しみ結果は不合格となった。
交流行事はウガンダの野球支援に取り組んでいる同大4回生の土井拓哉さんの働き掛けで開かれ、市内屈指の強豪である同中野球部の打者とカトー投手の真剣勝負が実現。軟式で行われた対決では、カトー選手の直球に押され気味の各打者だったが、長打が飛び出すと、歓声が上がった。
ボールを受けた捕手の須佐寛太君(2年)は「右打者は内角低めのボールを打ちにくそうにしていた」とマスク越しに感じた印象を説明。対戦し、2打席とも内野ゴロに打ち取られた玉井光誕君(2年)は「積極的に振っていったが、タイミングを取るのが難しかった。手元で変化する軌道が印象的でした」と攻略の難しさを口にした。
カトー選手は「軟式のボールは軽く、うまく握るのにも苦労した。各打者が打席で醸し出す雰囲気にプレッシャーを感じた」と話した。
投球を見守った同中野球部顧問の井口春平教諭(27)は「右肩の開きを抑え、グラブを脇に引くようにすれば、よりボールに力が伝わるのではないか」と話し、今後の成長に期待を寄せていた。
土井さんによると、カトー選手は28日まで日本に滞在し、帰国後は野球の指導者を目指す。