教育の原点は子どもの幸福 給付型奨学金の来春導入へ全力

第192臨時国会は終盤を迎えました。この臨時国会では、これまで私が実現を目指してきた政策、また皆さまからお声を頂いたご要望などが形となり、あるいは前進させることができました。その一部をご報告したいと思います。

まず第1に、10月28日に無利子奨学金の成績基準が実質的に撤廃されました。今回の改正では、住民税非課税であれば、これまでの成績基準を適用せずに無利子奨学金貸与の対象となりました。経済的に厳しいご家庭で進学をあきらめる方々に対し、進学の後押しになる制度です。ぜひご活用していただきたいと思います。

2番目に、高校入試で文部科学省が全国に追試験の実施などを促す通知を発信しました。今年2月、神奈川県の中学3年生がインフルエンザで体調を崩し、高校入試で十分に力を発揮できなかったことを苦に自殺。母親も後を追って命を絶ったとみられる痛ましい事件が発生。この事件を受け、私は今年3月の文部科学委員会の質問で取り上げ、追試験の実施を促すよう求めてきました。その結果、このたび文部科学省から全国の都道府県教育委員会に、「高校入試の受験生がインフルエンザをはじめ、急病で体調不良の場合の対応として、別日程の追試験を設けるなど『特段の配慮』を行うように」との通知が出されました。受験シーズン前のこの時期に、少しでも高校受験生の皆さまのお役に立てることができ、うれしく思います。受験生の皆さん、頑張ってください。

3番目に、来年度から導入を目指している給付型奨学金についてです。公明党が半世紀近く前から提唱し求め続け、私も国会議員に当選以来取り組んできた給付型奨学金。来年度からの実施をめざし今国会では、学生や教育機関、文部科学省からヒアリングを行うとともに、文部科学省や財務省と協議を重ねました。そして11月30日には、与党公明党と自民党で安倍総理大臣に、給付型奨学金を、特に経済的に厳しい状況にある学生を対象に、来年度(2017年度)から一部先行して実施すること、われわれ公明党が強く主張している社会的養護を必要とする学生への手厚い支援等の実現を申し入れました。安倍総理大臣からは、やらなければならないと前向きな答弁がありました。また、この日の申し入れでは、発達障がい児などが別室で授業を受ける通級指導や外国人児童・生徒への日本語指導を担う教職員の安定的な確保に向けた予算の拡充も提言。通級指導などを行う教員が毎年の予算での加配で措置されているため、不足している実情を強調して、教職員数が児童・生徒数に応じて自動的に決まる基礎定数化の実現についても安倍総理大臣に求めました。

4番目に、多様な学びの場づくりを進める議員立法「教育機会確保法」が12月7日に成立しました。この法律には、私の主張が随所に反映されています。夜間中学や不登校支援の関係団体などから要望を聞き、それを踏まえた主張を超党派議員連盟などさまざまな機会で訴え、いじめなどで苦しい状況になっても、登校を強いられて、さらに追い込まれていくケースが少なくないことから、こうした子どもの命や心の健康を守るために、休養の必要性などを訴えてきました。この法律において、多様で適切な学習活動の重要性を明記し、不登校の子どもに対しては、「休養の必要性」を踏まえることとしました。不登校の子どもの受け皿となっている民間のフリースクールなどへの公的支援の拡充、夜間中学について就学を希望する人への機会の提供と各地での設置の促進などが規定されました。私は法案提出者として、約3年間にわたり推進してきた法律が成立し、大変うれしく思います。

教育の原点は子どもの幸福にあります。私は、社会のための教育、教育のための社会、となるよう、これからも給付型奨学金が来年4月から導入されるよう全力で取り組むとともに、子どもたちが希望をもってキラキラと輝ける教育政策を確立してまいります。