電子マネー詐欺にご用心 県内も相談増加

 インターネット上で使えるプリペイドカード(電子マネー)を悪用した詐欺が全国的に増加傾向にあり、和歌山市で消費生活アドバイザーを務める福島寿美さん(56)は、県内でも相談事例が増えているとして「連絡しない・支払わない・相談する」をスローガンに注意を呼び掛けている。

 昨年11月、福島さんは50代女性が体験した詐欺未遂の相談を受けた。

 女性の携帯電話にショートメッセージで料金未納の連絡が届き、メールに記されていた連絡先に電話をしたところ、支払いをプリペイドカードでするように指示された。カードを購入するため、コンビニエンスストアに設置されているマルチメディアキオスク端末(ロッピーやファミポートなど)を利用したところ、画面に「振り込め詐欺ではありませんか」と表示され、不安を感じながらも手続きを進め、レシートを手にした女性はレジへ。不審に思った店員に「大丈夫ですか?」と声を掛けられ、女性は手続きを中止した。

 被害には至らなかったが、女性は福島さんに「放っておいてもいいですよね」と確認を求めに相談に訪れた。女性の心理について福島さんは、「料金未納のメールなどが来ると、自分が悪いのではないかと不安にかられるのです」と説明し「その心理につけこんだ悪質な詐欺も、消費者同士の力を合わせたら防げます」と力を込める。

 警察庁の統計では、平成28年上半期の電子マネー型詐欺の認知件数は483件と発表されているが、福島さんは氷山の一角だとして危機感を募らせる。「相続人のいない資産家の財産を受け取る権利が当たったとか、芸能人に会えるなど、手口はさまざまです。おかしいと思ったらすぐに消費者ホットライン188(いやや)にお電話を」と注意を呼び掛けている。

「気軽に相談して」と福島さん

「気軽に相談して」と福島さん