21市町で実施へ 県内初ねんりんピック
平成31年秋に県内で初めて開かれる「全国健康福祉祭(ねんりんピック)」の準備・運営に当たる実行委員会の設立準備会が17日、和歌山市の県民文化会館で開かれ、大会の開催種目や会期などに関する基本構想(案)について協議した。
ねんりんピックは、60歳以上の高齢者が中心となり、文化やスポーツなどを通して交流する祭典。昭和63年に兵庫県で第1回大会が開かれたのを最初に、毎年各都道府県で開かれている。県は平成25年度に31年度の開催地に立候補した。
設立準備会は、昨年5月に続き2回目。冒頭のあいさつで同会会長の幸前裕之県福祉保健部長は「ねんりんピックは全国から約1万人が集まる。競技終了後に県内を観光した後、和歌山の良いところを(各地)に発信してくれることを期待している。県民一体となって準備していきたい」と来県する選手たちへの県の魅力発信に向け、周到な準備を呼び掛けた。
準備会では、事務局が昨年10月に長崎県で開かれたねんりんピックの視察について報告。競技会場に宅配サービスを備えた物販コーナーを設置して県産品を選手にPRすることや、開会式で魅力的なアトラクションを行うことなどの重要性が強調された。
基本構想案については、会期を平成31年11月9~12日の4日間とし、大会の愛称を「ねんりんピック紀の国わかやま2019」とすることや、県内21市町で実施し、開催種目を同30年度の富山大会に並ぶ史上最多の27種目とし、田辺市や競技団体の提案を受け合気道を初めて実施することなどが事務局から提案され、委員らにより全会一致で承認された。
承認を受け、同案は6月6日にホテルアバローム紀の国で開かれる実行委員会の設立総会・第1回総会で審議される。実行委員会は知事を会長とし、県内各市町村長や各団体代表ら約170人の参加を見込む。
県はねんりんピックに向け、来年度4月から福祉保健部に「ねんりんピック担当参事」を配置する他、長寿社会課に「ねんりんピック推進室」を新設する。
同課によると、県選手団の規模は昨年の長崎大会が約120人なのに対し、開催県となる31年度の大会は約600人に増えるという。同課は「和歌山らしいおもてなしに向け、しっかり準備していきたい」と開催の成功に向け意気込みを示した。