海外販路を開拓 県輸出事業協同組合設立へ
人口減少などによる国内消費の落ち込みに対応するため、養殖魚や食料品、飲料など食品分野の県産品の販路を中国をはじめ世界に開拓していく目的で、県内の民間事業者らが4月にも、「県輸出事業協同組合」を発足させる。すでに、中国東部の寧波(ニンポー)市の保税区輸入食品館1階の日本館(240平方㍍)に2月から来年1月までの1年間、展示即売スペースを確保しており、和歌山ブランドの発信、普及に期待がかかる。
新組合は、6事業所でつくる任意団体「和歌山輸出組合」を前身とし、山本均悟組合長(66)=㈲M&Eソリューション代表取締役=を中心に、設立に向けて取り組んできた。
山本組合長は、大手繊維会社のマネージメント部門などを経て、コンサルタント業などを手掛ける会社を設立。県内産業発展のために活動してきた。新組合でも、代表理事に就任する予定。
今回、組合として法人格を取得することにより、県などに連携を働き掛けるとともに、会員を増やし、商品の多様化や活動の強化を図る。
中国では、日本国内で15年ほど輸出入ビジネスなどを経験した後に日本に帰化し、再び中国・寧波市に拠点を移して日本料理店などのビジネスを展開している王直行さん(52)が、経営する会社で組合加盟事業所の商品を全品買い取り、同食品館での販売や販路拡大につなげる。
山本組合長は「ゼロから海外に販路を開拓することはとても難しいことなので、全品買い取りの低リスクを活用し、組合に加盟する県内企業は販売拡大を実現させてほしい」と期待し、「日本の食品は、中国にとって安心・安全であることが定着しているので、さらに和歌山ブランドを広めたい」と話している。