フィリピン学生の研修へ 外語専門学校が提携

和歌山外国語専門学校(和歌山市駿河町、薮添康弘学園長)とフィリピン・マニラにあるデ ラサール大学セントベニール校(ロバート・タン総長)がこのほど、研修プログラムに関する提携を同大学本部で締結した。

和歌山外国語専門学校が、フィリピンのAKI財団(大類晶嗣理事長)を通してフィリピンの大学に、和歌山での研修プログラムを提案。セントベニール校が提案を受け入れ、これまで実施してきたヨーロッパやアメリカでの研修に、新たに日本が加わることとなった。

同校にはIT学科やホテル・レストラン学科など4学科があり、学生数は1万人以上。今回の提携では、IT学科の学生が7月と12月に和歌山を訪れ、2週間のスケジュールで語学研修、文化体験、企業訪問を行う研修プログラムの実施を計画している。7月の研修では、日本の弁当文化を学ぶ調理実習や浴衣の着付け体験、和歌山市内のデザイン会社でワークショップも開催予定。

ITマネジメント学科では、ゲーム開発や情報管理の他、輸出管理やマーケティングについても学んでいる。和歌山外国語専門学校の坂本太理事長代理(37)によると、フィリピンではアメリカやシンガポール、中東へ出て行く人が多く、言葉の壁や物価の高さから日本へ留学、就職する学生は少ないという。同大学では、和歌山外国語専門学校で日本語研修も一緒にできることから今回の日本での研修に賛同した。

調印式では薮添学園長とロバート総長が調印し、大類理事長とジェロニオ・ウラヤオ副総長が立ち会った。

現在はマニラの同校で7月に来日する学生を募集している。今後は毎年研修生を受け入れ、インターンシップ、長期留学の実施にもつなげていきたいとしている。また、IT学科以外の生徒の参加も進めていく予定。

坂本理事長代理は「今回の提携はまだ最初の段階。これがインターンシップや留学への参加につながり、学生が企業の高付加価値となるような人材に育ってくれたら」と話した。

調印式に参加したロバート総長(左から3番目)と薮添学園長(左から4番目)

調印式に参加したロバート総長(左から3番目)と薮添学園長(左から4番目)