近年の天気は極端化 橋田気象庁長官語る
県内市町村の首長や防災担当職員らが災害時の危機管理などを学ぶ、本年度の「県市町村長防災危機管理ラボ」が1日、和歌山市茶屋ノ丁の県自治会館で開かれ、気象庁の橋田俊彦長官が「気象・地震による災害と防災対応~極端化する気象、切迫する大地震へどう対応するか~」と題して講演した。
県と消防庁、消防防災科学センターが主催し、平成20年度から毎年開催している。橋田長官は近年の気象について、大雨の発生件数が増加傾向にあると指摘し、26年8月の広島土砂災害や27年9月の関東・東北豪雨を例に挙げ「局地化」「集中化」「激甚化」が進んでいると解説。「雨の降り方が変化しているのは明らかで、新たなステージに対応した防災・減災の在り方が必要」と強調した。
県内の気象の特性として、降水量や台風の上陸数、突風が多いことを挙げ、昭和25年のジェーン台風や28年の南紀豪雨など歴史に残る大災害が発生してきたことを解説。平成23年に紀南地方を襲った台風12号が「特別警報」が創設される大きなきっかけの一つとなったことを紹介した。
大規模災害が生じた際に重要なこととして、現実を受け止めて見たくない状況を直視し、適度な楽観性を持って状況を深刻に捉えすぎないことを強調。日頃から施策に防災や危機管理の要素を組み込むことで、災害に強い地域が生まれると話した。