災害時の給水確保へ 4町1市が合同訓練

災害発生時に近隣の水道事業者が協力して応急給水するための訓練が21日、和歌山市禰宜の和佐配水池で行われた。

大地震やゲリラ豪雨などで道路が寸断され、取水できなくなった際に近隣の市町村が連携して被災地に給水できるように、和歌山市、海南市、紀の川市、岩出市、紀美野町が共同で開催。県内では初めての試みで、同配水池から大池配水池、下佐々浄水場、貴志川浄水場、桜台低区配水池を給水車で巡回視察した。

1カ所目の和佐配水池には、4市1町の給水車5台が集合。和歌山市水道局企画建設課の滝本守課長は「災害時にきれいな水を確保するため、4市1町で広く連携していけたら。県とも情報交換を進めていきたい」と話し、訓練に向けて意気込んだ。

その後、配水池から水を供給している禰宜自治会館に設置された給水栓から水をくみ取る訓練を行った。パイプをつなげて簡易的な蛇口を組み立てた後、給水タンクへの供給を実施。災害時には、浄水場や配水池とつながる給水栓に水を流し、水を使えるようにする。

給水栓と給水車のタンクをホースでつなげ、水を蓄えていく作業では、ホースの結合部分がうまく収まるかを確認し、スムーズな受水を訓練。各給水地点でもより早く水を届けるために、タンクの水を入れる箇所や入れ方を確認していた。

今後は台風が多いシーズンを迎え、自然災害も起こりやすくなることから、連携を深め、訓練を続けていく予定。

給水栓から給水車に水を入れる訓練

給水栓から給水車に水を入れる訓練