地元の食の楽しみ提案 野菜ソムリエが企画
地元で食を味わう楽しみを広げようと、野菜ソムリエコミュニティ和歌山(粂浩子代表)は8月30日、31日の「野菜の日」にちなみ、和歌山市内の料理店で、店のオーナーと交流しながら料理を楽しむイベントを初めて開いた。生産者や料理人、飲食店の経営者ら20人が奥深い野菜料理や食の楽しみ方について理解を深めた。
学術的なことを意味する「アカデミック」になぞり、気軽に学んでもらいたいと「『和歌デミック』レストラン」と題した企画。記念すべき第1回の会場となったのは、日本野菜ソムリエ協会認定レストランでもある「野菜家(や)さい」(畑屋敷千体仏丁)。
「本格スペインバルで学ぶ 身体を育むバイタルレシピ」をテーマに、同店オーナーシェフで野菜ソムリエの中西攻(おさむ)さん(40)が、料理やレシピを紹介。中西さんは、かつて旅したスペイン北部のサン・セバスチャンの料理に影響を受け、県産野菜をふんだんに使った彩り豊かな料理を提供している。
中西さんは、同地域と和歌山は共通点が多く風土も似ていることや、食事に対する意識や文化の違いなどを紹介。食を通じて、「うれしい」や「おいしい」を共有する食を楽しむ場を提供したいと話した。
トマトやピーマンなど、野菜たっぷりのスペインの冷製スープ「ガスパチョ」の調理を実演し、消化する際にガスが発生しやすいでんぷん質のものを避けた方が良いことなどをアドバイスした。
また、参加者はパプリカやトマト、ゴーヤなど5種類の野菜を塩、砂糖、酢に付けて味の違いや変化を舌で確認。県とも姉妹提携を結ぶ、スペイン・ガリシア州固有種の栗豚をメーンにした料理などに舌鼓を打った。
同コミュニティ副代表で、今回コーディネーター役を務めた野菜ソムリエプロの資格を持つ井上宣子さんは「さまざまなことを知ることで、野菜の選び方や食事、調理の際の意識も変わるはず。堅苦しくない知識を日常に取り入れ、食を楽しむお手伝いができればうれしい」と話していた。
今後は年に2回の開催を予定しており、開催日は同会のホームページなどで公開する。