男性フラしませんか オラカイボーイズ結成

スタジオ内にゆったりと流れるハワイアン。音楽に合わせ、表情豊かに右へ左へステップを踏むのは男性2人――。yuki(ユキ)こと、和歌山県和歌山市の山田之和さん(62)、kuni(クニ)こと和田邦宏さん(59)が男性フラチーム「オラカイボーイズ」を結成した。習い事としても人気の高いフラだが、男性ダンサーは極めて少ない。2人はフラの魅力を伝え、愛好の輪を広げたいと「一緒に楽しく踊りませんか」とメンバーを募っている。

手の動きやステップを組み合わせて踊るフラ。しなやかな動きで女性的なイメージが強いが、本来は男性が踊るものだったという。2人によると、国内のフラ人口は女性が約40万人とされるのに対し、男性は1000人ほど。県内では恐らく10人ほどではないかという。

華やかで柔らかさのある女性フラに対し、男性フラの振り付けは直線的で、キレのある動きも入る。柔軟性も高度な身体能力も必要なく、ハワイの音楽に身を任せれば年齢問わず誰でも無理なく楽しめるのも魅力。

もともとサーフィンが趣味で、海が好きな山田さんが、フラに出合ったのは13年ほど前。介護施設へボランティアで訪れた際、フラの団体が楽しそうに踊る姿に心動かされた。見る側も心和むフラに「自分も周りも楽しめそう」と始めた。

単身赴任先の東京で習い、2年前に和歌山へ戻った。男性フラを指導してくれる教室は少なく、今は月に2度ほど有田川町まで通って指導を受け、その振りを和田さんに伝えている。

「フラをしていると心が優しくなれます。足腰や体幹が鍛えられ、この年齢でも無理なくリズムが取れますよ。姿勢も良くなりましたね」

一方の和田さんは、40年来の友人の山田さんに誘われ、去年3月にフラを始めた。放射線技師の傍ら、三味線や長唄などさまざまな趣味を楽しみ、ウクレレも弾いていた。ちょうど和田さんの長女もフラを習っており、三女がハワイで結婚式を挙げた際にも、現地で目にしたフラに魅了されたという。和田さんは「何より明るい気持ちになれます。孫を含めて、いつか家族みんなで踊れたらいいですね」とほほ笑む。

チーム名は、ハワイ語で「命」「海」を意味する「オラ」「カイ」を組み合わせて命名。岩出市の緑花センターや和歌山マリーナシティで開かれたフライベントに出演した。

近畿圏内では奈良に男性フラの集まりができ、2人も交流会に参加。今後、まずは近畿圏にネットワークを広げ、将来的には男性フラのイベントなども夢見ている。2人は「今は2人だが、少しでも仲間に加わってくれる人が増えればうれしい」と和歌山での男性フラ普及に熱意を燃やしている。

現在は市内の城北橋そばの貸スタジオで月2回、日曜日に練習。見学も歓迎。問い合わせは山田さん(℡090・5014・3693)。

「健康維持にお薦めです」と山田さん㊧と和田さん

「健康維持にお薦めです」と山田さん㊧と和田さん