終盤に粘り強さ リーヴォ昇格への展望㊤
今シーズンのサッカー関西1部リーグを3位で終え、3連覇を逃したアルテリーヴォ和歌山。JFL(日本フットボールリーグ)昇格へ残された道は、14日から福井県で試合が行われる全国社会人サッカー選手権大会(全社)のみとなり、3年連続の地域チャンピオンズリーグ進出に負けられない戦いが続く。坂元要介監督に今季のリーグ戦を振り返ってもらった。
ここ2年間、関西でトップを走ってきたリーヴォだったが、リーグ開幕前から「最大のライバル」とささやかれていたアミティエSC京都の優勝で今季リーグ戦は幕を下ろした。14試合で8勝6敗、勝ち点は「24」。優勝したアミティエとの勝ち点差は「8」だった。指揮官は前期、後期ともに直接対決で敗れた宿敵との力の差を「完敗」の2文字で認めざるを得なかった。
オフシーズンに新たな選手が加わり、チームは若手中心の構成となった。未完成なだけに、本来なら多少のぎこちなさが表れがちなリーグ序盤戦を怒濤の5連勝で駆け抜けた。この連勝街道は指揮官でさえ「予想できなかった」。だが、波に乗ったチームは一つの敗戦を機に大きく揺らぎを見せた。
第6節の関大FC2008戦。今季初黒星を喫したリーヴォは、そこからチームを立て直すのに1カ月もの時間を要した。その間、チームは4連敗。ライバルに首位の座を明け渡すと、最後まで追い掛ける展開を強いられた。第10節のレイジェンド滋賀戦で連敗を脱したリーヴォは次節のバンディオンセ戦でも勝ち星を重ねたが、優勝の行方を左右する第13節で敗戦。リーグ3連覇と関西地区代表としての地域チャンピオンズリーグ出場はかなわなかった。
リーグ戦を振り返ると、試合終盤の「粘り」が際立った。実際に、8試合中4試合が引き分けていてもおかしくはない試合だった。3試合が後半アディショナルタイムの劇的ゴールで勝利をつかむという展開。最後まで諦めずにゴールを狙う一貫した攻撃性と、終盤の粘り強さが強味といえる。
一方で、逆転した試合はわずかに1試合(第10節)だけ。先制点を奪われると、追い付き追い越すゲーム運びができなかったのも苦い事実として残った。
「負けを重ねることは、チームが大きく成長する上で必要。優勝争いができたのも良かった」と前向きに捉える坂元監督。この経験を糧に、次の全社で地域チャンピオンズリーグの出場権を狙う。