世耕経産相が県入り 和歌山1区に危機感
衆院選が公示された10日、県選出の世耕弘成経済産業大臣(54)が和歌山1、2区の自民党候補の応援のために県内入りした。1区では「今回の選挙は背水の陣。小選挙区でしっかり勝たなくてはいけない」と危機感を示した。
1区は届出順に、共産党新人・原矢寸久氏(66)、希望の党前職・岸本周平氏(61)、自民党前職・門博文氏(52)の3候補の戦い。世耕氏は、午前は2区の党公認候補の出陣式に出席し、午後には1区に入った。
門候補は平成24、26年の衆院選では岸本候補(当時民主党)に選挙区で連敗し、比例区で復活当選を果たした。今回は悲願の選挙区での勝利を目指している。
和歌山県和歌山市内で開かれた門候補の個人演説会で応援のマイクを握った世耕氏は、過去2回の選挙を振り返り「自民党への圧倒的な追い風があった」と分析。党を取り巻く現在の情勢について「追い風は吹いておらず、逆風かもしれない」と厳しい見方を示し、「近畿の小選挙区で取りこぼしが出てくると比例での当選も難しくなる。小選挙区でしっかり勝っていかなくてはならない」と述べた。
今回の衆院選全体については「政権選択が問われ、党対党の選挙だ」と強調。第二次安倍政権の実績として安全保障関連法の成立や景気回復を挙げ、北朝鮮の挑発的行為が続く中、「安保関連法は成立させておいて本当に良かった。有効求人倍率が全都道府県で1倍を超えるなど、雇用情勢も良い。デフレからもう少しで脱却できるところまで来ている」と強調した。
岸本候補は前回は7803票差、前々回は300票差で門候補を破っており、岸本候補が希望の党に移ったことなどが有権者の投票行動にどう影響するか注目される。原候補は社民党県連の支持、市民連合わかやまの推薦を受けており、共産党支持層以外からの票の上積みも期待される。