雨の週末に訴えの声 衆院選は後半戦突入
22日投開票の第48回衆院選は14、15日に公示後初の週末を迎えた。雨の中、県内小選挙区の各候補は商業施設前や主要駅前など人通りの多い場所で街頭演説を行い、秋祭りなどのイベント会場を回るなど、有権者との距離を近づける活動で懸命に支持を訴えた。各候補の週末の動き、選挙戦後半に向けての戦い方などを取材した。
1区
和歌山県和歌山市を選挙区とする和歌山1区の立候補者は届け出順に、共産党新人の原矢寸久氏(66)、希望の党前職の岸本周平氏(61)、自民党前職の門博文氏(52)の3人。
原候補は14日、園部や六十谷などの団地を中心に街宣。15日には市中心部のぶらくり丁商店街を訪れ、商店の経営者や買い物客らと握手を交わした。JR和歌山駅前での街頭演説には、市民連合わかやまや社民党県連も応援に駆け付けた。陣営は市民連合などとの選挙協力について「これまでは来てくれなかった人が支援してくれる」と手応えを示し、「後半も街頭からの訴えに力を入れていきたい」と話す。
岸本候補は14日、ぶらくり丁商店街を約1時間かけて歩いて回り、15日は餅つきイベントなどに参加。岸本氏は「浮動票の取り込みはこれから。政治に無関心な層にも地道に熱い思いを訴えていきたい」と話し、山下幸男選対本部長は「これまでは自転車で市内を回ることが多かったが、後半戦は投票率を上げるためにも街宣車にできる限り乗り、本人がマイクを握るようにする」と後半戦の取り組みを話す。
門候補は30分程度の個人演説会に力を入れ、14日は8回、15日は11回と精力的にこなした。企業や業界団体向けも多い。陣営は情勢を「良くて五分五分」と見る。「浮動票は希望に流れると思っていたが風向きが変わってきた。前回は(岸本氏と)約7800票差。頑張れば勝てるはず」と意気込む。党幹部や閣僚の応援も相次ぎ、15日は世耕弘成経済産業大臣が2度目の選挙区入り。20日は二階俊博党幹事長が応援のマイクを握る。
2区
立候補者は届け出順に、共産党新人の下村雅洋氏(62)、日本維新の会新人の栄隆則氏(53)、自民党前職の石田真敏氏(65)、希望の党新人の坂田隆徳氏(38)の4人。
下村候補は14日、かつらぎ町や橋本市を街宣。同市ではあやの台や小峰台などの団地を訪れ、推薦を受ける市民連合わかやまの関係者も加わった。15日は紀の川市や岩出市を回り、海南市では海南赤旗まつりに参加した。陣営は後半戦に向け「メガホンをもっと
使って支持を訴えたい」と話す。
栄候補は15日、橋本市内などを回った。応援に訪れた吉村洋文大阪市長と共に南海電鉄林間田園都市駅やショッピングモールなどで街頭演説を行い、日本維新の会が大阪で進めている議員の定数や報酬の削減を通じて財源を捻出する「身を切る改革」を、県内でも実行する必要があると訴えた。
石田候補は14日は紀の川沿い、15日は海南市から南の地域を訪問して街頭演説を行った。商業施設や選果場、秋祭りの会場など人出が多い場所に足を運び、多くの有権者と握手を交わした。陣営は「途中の選挙情勢はあまり気にせず、最後までやることをやるだけ」と話し、気を引き締めている。
坂田候補は14日、有田市や紀美野町などを回り、15日は紀の川に沿って岩出市から橋本市へ街宣。紀の川市の海神社やかつらぎ町の蟻通神社の秋祭りを訪問し、岩出市の紀泉台や橋本市の林間田園都市などのニュータウンでも演説した。陣営は「訴えに耳を傾けてくれている」と手応えを話す。