自民が野党3氏引き離す 衆院選和歌山2区

 衆院選の投開票が22日に迫り、各候補者は激しい舌戦を展開している。和歌山県の和歌山2区は、7選を目指す自民党前職・石田真敏候補(65)が組織力と実績を武器に安定した戦いを繰り広げ、他の3候補をリード。希望の党新人・坂田隆徳候補(38)、共産党新人・下村雅洋候補(62)、日本維新の会新人・栄隆則候補(53)が懸命に背中を追い、最終盤の追い上げに躍起だ。

 石田候補は解散前まで衆院議院運営委員会筆頭理事を務め地元での活動時間が減少していたが、厚い支持基盤を背景に序盤から優位に戦いを展開。辻立ちや企業の朝礼、街頭演説などを精力的にこなし、各地で個人演説会も開催している。「幅広い世代が興味を持って話を聞いてくれる」と陣営。過去6回の選挙はいずれも7万票以上を獲得する安定した支持を集めており、「気を緩めず、最後まで愚直に取り組む」と意気込む。

 民進党出身の坂田候補は街頭演説を中心に活動。朝は辻立ち、帰宅ラッシュの時間には演説で「安倍政権をこのまま続けていいのか」と有権者に問い掛けてきた。終盤は前回選で自民と野党が接戦だった有田市を中心に活動し、中小企業の集会にも参加。掲げている「生活実感のある政治」を働く人に伝えようと、フェイスブックも活用。陣営は「少しずつ手応えを感じている。票を積み上げていきたい」と話す。

 下村候補は政策協定を結んだ市民連合わかやまの推薦、社民党県連の支持、自由党の支援を受け、各地での街頭演説を中心に活動。陣営は「安倍首相を退陣させるために共産党に大きくなってほしいとの声を耳にする」と手応えを話す。安保法制を容認する希望、維新の姿勢を「自民とさして変わらない」と批判。野党と市民が協力して安保法制廃止と改憲反対を訴えることを前面に押し出し、追い上げを図る。

 公示直前の出馬表明となった栄候補は、子育て世代が多く住む新興住宅地を中心に足を運び、支持を訴えている。私立学校の授業料実質無償化を訴え「予算は消費税率の引き上げではなく議員定数の削減から捻出できる」と、自民とは一線を画した政策を強調。吉村洋文大阪市長、馬場伸幸党幹事長も応援で選挙区入りし、陣営は「終盤になって選挙カーに手を振る人や握手を求める人が増えてきた」と話す。