読み聞かせで戦争学ぶ 中学生が小学生に
和歌山市立紀之川中学校(同市有本、加藤正彦校長)の1年2組30人が19日、市立四箇郷小学校の6年1組28人に本の朗読を行い、平和について学習を深めた。
和歌山大学の実践的地域連携教育推進事業の一環。同小学校司書の岡恵子さんがコーディネーターとして2校を結び、読み聞かせ会が実現。6年生は平和学習の一環として平和に関する意見文を書くために和歌山大空襲や原爆について学んできた。
図書室では中学生が絵本「大人になれなかった弟たちに」を順番に朗読。強調したいシーンを2人で読んだり、読み方に抑揚をつけたりして児童を物語に引き込んだ。
読み聞かせの後はグループに分かれて学習。児童は「配給って何ですか?」と物語に出てくる言葉について質問し、生徒は丁寧に絵や言葉の説明をしていた。
中学生の森乙叶さん(13)、松尾麗香さん(12)、有本健亮君(12)は「緊張したが、聞きながらうなずいてくれたし、積極的に質問もしてくれたので、戦争の怖さを伝えられたのでは。自分たちより下の世代にも伝えていってほしい」、小学生の岡室雄大君(12)は「自分たちのために練習してくれてうれしかった。読む人の心に届くように、どうすれば平和が築けるのかを書いていきたい」、冨森典門君(11)は「しっかりした中学生になれたら。戦争で亡くなった人の思いもこめて生きていきたいと思った」と話した。
今後、同小学校では児童が意見文を書き、同中学校で生徒が添削する予定。