働く大人が"先生"に 12月に未来スクール
和歌山県で働く大人が、子どもたちに地元で働くことの楽しさを伝える第4回「未来スクール」(県専修学校各種学校協会主催)が12月10日、和歌山市立伏虎義務教育学校(鷺ノ森南ノ丁)で開かれる。小学生を対象にした仕事体験教室では、25社の職業人が一日限定の〝先生〟となり、授業する。体験は無料で、11月1日午前0時、ホームページ(http://wakayama-senkaku.or.jp/mirai/)で受け付けを開始する。
県内の経営者らでつくる実行委員会が運営。多くの若者が就職などで県外へ流出してしまう現状に危機感を抱き、地元にも魅力的な企業があることを知ってもらおうと、キャリア教育の一環として開いている。前回は約400人が来場。受付開始日に半分以上の教室が定員に達するなど、好評だった。
今回は生花店や自動車整備業、不動産業、カフェをオープンさせた女性起業家などが初参加。弁護士や公務員、看護師、美容師、新聞記者などの教室が開講する。
実行委員長で、IBW美容専門学校副校長の山本理恵さん(36)は「未来スクールが心のエンジンを動かす場所になれば。ここには夢を応援してくれる人がたくさんいる、和歌山で働くってかっこいいんだと伝えたい」と願っている。
今回は市役所の若手職員など行政関係者も実行委のメンバーに加わり、本番に向けて模擬授業。グループに分かれて仕事の達成感ややりがい、地域との関わりなどを紹介し、分かりやすく伝えるには何が必要か改善点を話し合った。
授業を担当する大人の側に変化も。自身の仕事を見つめ直し、モチベーション向上にもつながっているという。
初参加という大和化学工業所(海南市岡田)の大谷正樹代表(46)は「インターネット社会では、ものづくりにふれあう機会が少ない。感受性の豊かな年代の子どもたちに、身の回りのものが化学工場で作られていることや、ものづくりの面白さを伝えたい」と話している。
仕事体験教室の定員は1教室につき20人~30人。高校生までを対象にした専門学校の体験教室(事前申し込み制)、和歌山大学の学生有志による空間デザイナー体験、県立桐蔭高校の缶サット甲子園ブースも設けられる。
問い合わせは同協会(℡073・423・9770)。