紀の川市の土砂崩れ現場視察 県の調査委
台風21号による大雨の影響で和歌山県紀の川市西脇地区の斜面が崩れ、住民1人が死亡したことを受け、有識者で構成する県の調査検討会が2日に現場を視察し、土砂崩れが発生した原因について議論した。
土砂崩れは10月22日夜に発生。県が整備を進めている広域農道紀の里地区の斜面が崩れ、約100㍍離れた付近の民家を直撃し、住民の男性(82)が死亡した。
県は原因究明に取り組む調査検討会を設置。検討会委員は土木・地盤工学の研究者や建設コンサルタントなどで構成され、京都大学の大西有三名誉教授が会長を務める。
委員らは2日午前、土砂災害が発生した現場を訪れ、高所から斜面の崩れ具合を確認。土砂の直撃を受けた民家があった場所にも足を運んだ。視察後は岩出市高塚の県那賀振興局に移動。県県土整備部の職員も交え土砂崩れが発生した原因について意見交換した。
委員会終了後、記者会見した大西会長は今回の土砂崩れについて「普通のがけ崩れに比べて範囲が広い。多量の水が入り、土石流が発生した可能性がある」と分析。「ボーリング調査のデータを分析し、雨量や水位の変化なども観測したい」と話した。森戸義貴県土整備部長は今月中にも第2回の調査検討会を開く考えを示した。