こも巻きで冬支度 和歌山城の松270本

 立冬を迎えた7日、和歌山県和歌山市一番丁の和歌山公園(和歌山城内)で、園内の松をマツケムシなどの害虫から守るための「こも巻き」が行われた。

 枯葉の中などで越冬するため、枝から地中に降りてくる虫の習性を利用し、根元から約1㍍の高さに巻いたこもの中に誘導する薬剤を使わない昔ながらの害虫駆除法。

 市の職員9人は3組に分かれ、園内の約270本の松に、長さ約170㌢、幅約50㌢のこもを丁寧に巻いて回った。こもは来年3月6日の「啓蟄(けいちつ)」の日に外し、焼却処分する。

 市和歌山城整備企画課の内田信行さん(50)は「江戸時代から行われているこの手法は、城にまつわる一つの風物詩。これを行うことで、冬の訪れを感じます」と話していた。

市職員が丁寧に縄ひもで「こも」を巻く

市職員が丁寧に縄ひもで「こも」を巻く