島精機創立55周年 記念ファッションショー
無縫製ニット横編機「ホールガーメント」など画期的な独自技術の開発でコンピューター制御横編機の世界シェア約6割を占め、業界をリードする㈱島精機製作所(和歌山県和歌山市坂田)が創立55周年を迎え、記念イベントが16、17の両日、同市手平の和歌山ビッグホエールで開かれた。16日は式典やファッションショーが行われ、世界各国からアパレル業界関係者ら約700人が出席し、同社の節目を祝った。
同社は、島正博会長(80)が昭和36年に設立したゴム入り安全手袋(軍手)の半自動編機製造会社を前身とし、37年に創立。全自動手袋編機、世界初の全自動セミフルファッション横編機などを作り上げ、複雑で洗練された柄の製品を可能にする技術や、作業工程を簡素化する電子制御技術などを次々に開発した。
平成7年には完全無縫製型のコンピューター制御横編機「ホールガーメント」を開発し世界を驚かせた。その後もデジタルデザインシステムの開発などにより、製品作りに必要な材料や時間の大幅な縮小を実現。カジュアルウエアやスポーツウエアの製造も手掛けている。
ことし6月には、創業者の正博氏が社長から会長となり、長男の三博氏(56)が社長に就任した。
記念式典で三博社長は「お客さま、株主の皆さま、地域や従業員の多くの方々に支えていただいたおかげで今日がある」と感謝し、「100年先も地域や社会にさまざまな貢献をすることがわれわれの使命だ」と決意を話した。
正博会長は「これまでの多くの困難も、皆さんのご支援のおかげで乗り越えることができた。今後は会長の立場から貢献したい」と、引き続き第一線での活動に力を込めた。
ファションショーには29人のモデルが出演し、デニムやスポーツウエア、ドレスなど44点をあでやかに、カジュアルに身にまとい、特設ステージでウオーキング。大画面に映し出されたバーチャルモデルによる20点の紹介もあり、近未来的なステージを演出。フィナーレでは、白いドレスに宇宙や森林などをダイナミックに投影し、環境保全をテーマに企業活動を進めていく姿勢もアピールした。
この他、最新のニット製品と機械の展示も行われ、500点のニットサンプルが300体のマネキンで展示され、伸縮性の良さを生かしたスポーツウエアなどが注目された。
横編機8台や手袋編機、デザインシステム、三次元計測装置、プリンティングマシンなど、同社の技術が結晶した製品の数々も会場に並び、来場者が見入っていた。