垣根を越えた水害対策へ 台風21号被害から見えた課題

去る10月22日に実施されました「第48回衆議院議員総選挙」において議席を頂くことができました。私にとっては大変厳しい結果ではありましたが議席を継がせていただきましたことは身の引き締まる思いであります。今後も政権与党の国会議員として故郷の発展のためにとりわけ和歌山市の発展のために微力ではありますが粉骨砕身、力を尽くしてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
さて選挙の投開票日でありました10月22日は台風21号による雨・風、とりわけ短時間に大量の雨が和歌山を襲い翌23日にかけて土砂の崩落や浸水の被害が多くの地域で発生しました。和歌山市においても紀の川流域でまた和田川流域で床下、床上浸水が多くの家屋で発生しました。和田川流域では6年前にも浸水被害が発生し私も当時、現場に向かいましたが今回はそれをはるかに上回る水位まで浸水するという厳しい状況でありました。23日の朝、私がお伺いした吉礼地区のお宅では「床上」といっても想像をはるかに超える水位で1階の居室が2㍍近くまで浸水した痕跡が残っておりました。「生きた心地がしなかった」とのご家族の声は危機迫る状況を生々しく伝えるお言葉でした。この現場で感じたことは一概に「床上浸水」といってもその水位が膝、腰、背丈では被害の状況が違うということでした。水没して使えなくなる家財道具や家電製品が水位によって大きく違ってくるという点です。水位が高くなるとエアコンや照明器具までダメになります。そうすると新調するには金額も大きくなります。今後はこのような点も考慮して被害に対する見舞制度などもより手厚くより細密にしていく必要があるのではないかと思います。このことを受けて早速、私は党本部での「災害対策特別委員会」の場でこの点を指摘して発言をいたしました。今後も行政と連携をとって継続して取り組んでまいります。
また和歌山市以外でもさまざまな被害が発生しました。特に紀北エリアでは紀の川市で土砂の崩落によって尊い人命が失われました。また各地で大規模な浸水被害も発生しております。改めて今回の台風で感じたことは水における被害とりわけ河川に関係する被害の大きさです。紀の川流域の市町で共通して発生したのが紀の川本川に流れ入れている支川域での内水被害です。改めて「川はつながっている」という当然のことを再確認させられました。その中で被害に遭われた地域の市長さんや町長さんからは「今回のような規模の降雨災害では支川管理を地方自治体の『体力』ではとても賄えない」という共通の要望を頂いております。基本的に河川の管理は一級河川は国、二級河川は県、準用河川と普通河川は市町村というふうになっています。今の首長さんのご意見はこの原理原則を越えて対策を考えていってほしいということです。財政規模の小さな自治体では今回の規模の災害に対応するための排水ポンプの設置や護岸や樋門の改修が単独ではできないということです。これらの課題を解決することがまさに政治に求められる責任であると感じています。そこで一つの会議を催してもらうことになりました。流域の各自治体から首長さんや担当者、そして国土交通省近畿地方整備局、県土整備部の皆さんが一堂に会して今回の水害を受けて特にハード面の整備について意見を交換し方針を出していくというものです。価値観と問題意識を共有しそれぞれができること、また垣根を越えなければならないことを今後の対策に向けて話し合うことになりました。政治が「横串」を通す役割を果たさなければなりません。これからも各方面での課題の解決に奔走してまいります。
今年一年本当にありがとうございました。来年もよろしくお願い申し上げます。