基礎的問題の正答7割 県学習到達度調査
和歌山県教育委員会は、昨年10月に県内の小学4・5年生と中学1・2年生を対象に実施した学習到達度調査の結果の概要を公表。過去5年間の調査データから、基礎的・基本的な問題の正答率は約7割で、記述問題の無回答率が改善するなどの成果がみられた一方、記述問題の改善傾向は出題形式によってばらつきがあることも分かった。
調査は小学校239校、中学校124校で実施。9月末までと前学年の学習内容から出題された。
小学校の国語では、4・5年生とも漢字の読み方について正答率90%以上と高かったが、4年生は文学的文章の解釈において文章を引用して自分の考えをまとめること、5年生は文章解釈において優れた表現について自分の考えをまとめることなど、解釈や自分の考えをまとめて発表することに課題があった。
算数でも、四則計算や基礎的な問題はほとんどの児童ができていたが、4年生は道のりを考える問題で図を参考にして考えること(48・9%)や、5年生は数量の関係を表す図を書くこと(33・2%)など言葉や図式を関連付ける問題の正答率が低かった。
中学生の国語は、物語や論の流れに注意して読む問題に関しては1年生の正答率が86・6%、2年生が73・7%とできていた一方で、1年生は表現の工夫と意図を捉えて説明する問題(19・1%)、2年生は付属語の理解の問題(13・2%)は正答率が低かった。
数学は、基礎的な問題はできているが、1年生は事柄が成り立つ理由を説明する問題(57・3%)、2年生は具体的な事象の二つの数量の関係を考察する問題(25・2%)に課題がみられた。
ことしは小学5年生と中学2年生を対象に新たに理科を実施。小学5年生は、光電池に当たる光と回路を流れる電流の強さの関係について理解できているが、温度による金属の体積変化への理解に課題があった。中学2年生は、種を作る植物の仲間の名称を示す問題はできており、圧力を求める式を使った計算に課題があった。