自分らしい最期を 死を考える集いに200人
死や死に至る病をテーマに当事者や専門家が考えるシンポジウム「死と向き合い、生を考える」が6日、和歌山県和歌山市西高松の和歌山大学松下会館で開かれ約200人が参加した。
和歌山大学クロスカル教育機構生涯学習部門が主催し、ことしで18回目。同部門の栄谷キャンパス移転に伴い、最後となる今回は「和歌山であたり前に生き、あたり前に死んでいくために」をテーマに「生と死を語る会」主宰で、紀の川市にある坂口内科の坂口健太郎院長が講師を務めた。
坂口院長は約20年前と比べ、施設に入居して亡くなる人が増えたことや、寝ている間に心筋梗塞になったり、風呂で亡くなったりする不安があることを話し、「今日はあがら(自分たち)の死に方を考えてみましょう」と呼び掛けた。
今回はかっこ悪い死に方から死を考えようと、自宅で最期を迎えたかった母を病院でみとったことへの迷いや、父の死を見届けたエピソードなど自分のみとり体験談を発表。その後のグループワークでも、「みとりにまつわる私の失敗談、もしくは不安なこと」をテーマに参加者が体験や不安を発表し合った。
全体会では、参加者から尊厳死の宣言について質問があり、坂口院長は「自分が話せなくなったときに重要になるのが宣言書。『生きていてほしい』という家族の願いが強ければ、尊厳死は難しい。協力してくれる先生に相談しておく方が良いのでは」と尊厳死の難しさを語り、「死に方は選べない。救えるか救えないかは魂の問題でもある。自分が死んだらどうなるのか、勉強する必要がある」と締めくくった。