ICT教育などに力 県教委分は979億円

 和歌山県の2018年度一般会計当初予算案のうち、県教育委員会所管分は、前年度比0・6%減の979億4111万円となっている。予算の88・2%を占める人件費は、教職員定数の94人減により、7億5467万円(0・9%)減の838億4007万円。

 新規事業では、19年度からの実施を目指す「きのくにICT教育」に4910万円を計上。18年度には、プログラミング教育の教材や指導用の資料を作成し、また、ロボット教材などを用い小中高それぞれ2校の実験校で授業を行う他、プログラミング教育に対する教員への研修も行う。

 教員の職務負担を軽減し、生徒と向き合える時間の確保を図る「非常勤講師等配置」には4468万円を計上。教員の事務作業が課題となっている30校の小学校にスクール・サポート・スタッフを配置し、採点業務補助や、コピー、授業準備・片付けなどの事務作業を行う。

 県立博物館では紀の川市出身で平安時代の歌人、西行法師の生誕900年を記念した特別展を秋に実施。重要文化財の西行物語絵巻(文化庁蔵)や吉野水分神社(奈良県)蔵の木造西行像などの展示を予定し、2624万円を計上している。

 その他、県内の中高生を対象に「わかやまふるさと検定」や「挑戦!わかやまの歴史」を実施し、ふるさと教育の一層の充実を図る「ふるさと教育推進」に1290万円。幼児期の教育の質向上と小学校教育への円滑な接続を目指す「幼児教育総合プロジェクト」に1126万円。災害時に的確な判断を行える管理職などを養成する「学校を守る 地域を守る 防災リーダー育成」に840万円などとなっている。

 組織改編は、前年度に義務教育課内の児童生徒支援室や幼児教育推進班の新設などを行っていることから、18年度に大きな改編はない。