6年連続減289億円 紀の川市当初予算案
紀の川市は23日、2018年度当初予算案を発表した。一般会計は13年度から6年連続で減額し、前年度比4億3000万円(1・5%)減の289億7000万円。健全な財政運営と、防災や子育て、農産物を活用した産業振興の推進などを両立させる予算とした。特別会計や公営企業会計を含めた全体の予算額は19億349万円(3・7%)減の495億5816万円。中村愼司市長は「市の身の丈に合った予算だと思う。重点事業にしっかり取り組んでいきたい」と述べた。
【歳入】自主財源は80億3000万円で、全体に占める割合は27・7%。市税は9949万円(1・5%)
減の63億7082万円。繰り入れ金は12億1455万円(66・3%)減の6億1731万円。地方交付税は2億7000万円(2・5%)減の104億9000万円を見込んでいる。市債は7億5020万円(27・2%)増の35億410万円を発行し、18年度末の市債残高は290億1215万円を見込む。
【歳出】性質別では、人件費などの義務的経費が16億9876万円(10・8%)減の140億8709万円。投資的経費は、市立荒川中学校の校舎改築事業などにより、10億9948万円(34・5%)増の42億8592万円となった。
目的別では、民生費が粉河地区の保育所再編事業などで5億724万円(5・1%)増の104億5055万円。教育費は5億4210万円(25・6%)増の26億5932万円、農林業費は6820万円(6・9%)減の9億2161万円となっている。
【重点・新規事業】「安全・安心」「子育て・教育」「産業・交流」「都市基盤・生活環境」「地域づくり・行政経営」の5テーマを掲げる。
「安心・安全」では、市内47カ所の指定避難所に震度5以上の地震で自動解錠される装置の整備に563万4000円、東大井の那賀休日診療所の移転整備を18~21年度で行うため1677万3000円を計上。
「子育て・教育」では、市庁舎2階に「子育て世代包括支援センター」を設置し、運営する事業に1122万9000円、那賀中・鞆渕中のトイレ洋式化事業に1293万2000円を計上。
「産業・交流」では、農産物販売促進事業に680万円を充てる。
「地域づくり・行政経営」では、コンビニでの住民票などの証明書交付システム導入事業に2725万5000円を計上している。
また、重点分野に取り組む体制を強化するため、組織の再編を行い、新たに「地域創生」「こども」「公共施設マネジメント」など6課を設置する。