花田選手が全国優勝、団体3位 和商相撲部

全国高校相撲選抜大会・第69回全国高校新人選手権大会が17、18の両日、高知県・春野総合運動公園相撲場で開かれ、県代表の和歌山商が大活躍。個人戦無差別級で主将の花田秀虎選手が優勝し、激戦を勝ち抜き日本一に輝いた他、8年ぶりに出場した団体戦では、津島(愛媛県)や響(山口県)を破り準決勝で飛龍(静岡県)に惜敗したものの、地元明徳義塾と並んで3位入賞を果たした。門林三千生監督の下、全員1年生で憧れの土俵に挑み、古豪復活を告げるフレッシュな旋風を巻き起こした。
69回の歴史を刻む大会の個人戦優勝者には、第55回の澤井豪太郎選手(豪栄道)、第59回の遠藤聖大選手(遠藤)、第63回のイチンノロブ選手(逸ノ城)ら大相撲の力士も多く、県勢は第33回、34回と新宮の久嶋啓太選手(久島海)が連覇している他、和商の先輩では第5回の中尾三郎選手、第9回の開健次郎選手、第13回の鍵岡史将選手が栄冠を手にした。花田選手は、鍵岡選手以来56年ぶりのチャンピオン。
昨年のインターハイで5位に入賞した花田選手は、一日4回の食事で体を大きくする一方、早朝練習では、レスリングのインカレ王者でもあった父・眞秀さんの指導を受けながらパワーとスピードをさらに高めた。
個人戦は80㌔未満、100㌔未満と無差別級の3部門で行われ、無差別級は225人がトーナメントで激突した。花田選手にとってポイントとなった相手は、2回戦の春山万太郎選手(埼玉栄)。優勝候補の一人でもあり、全国中学生大会で惜敗した相手だけに雪辱に燃え、立ち合いから果敢に攻め、強く当たって、前みつを取り、そのまま押し出した。この勝利をステップに、白星を重ね7試合目となった準決勝では、神山龍一選手(埼玉栄)を押し出し、続く決勝は、鈴木優斗選手(飛龍)を鮮やかな下手投げで破り、接戦を制した。花田選手は、4月1日から近畿大学で行われる全日本ジュニア強化合宿に参加し、世界大会出場の可能性も期待される。
団体戦は3人制で実施。和商は先鋒花田、中堅藤井、大将加藤で、予選リーグに臨んだ。初戦で宇治山田商(三重県)に破れたが、2回戦から立て直し、高岡向陵(富山県)、高松南(香川県)に連勝。勝ち点5で決勝トーナメントに進出した。抜群のチームワークと、各選手が持ち味を生かし、準々決勝の響まで3連勝で勢いに乗る和商だったが、準決勝は優勝した飛龍に1―2で涙をのんだ。あと一歩及ばず破れたが、控えを含め5人の選手たちには、次の目標に向かって大きな収穫となった。団体戦入賞は、第9回、第13回の優勝、第7回、第51回の3位以来18年ぶり。
花本明校長は「全員1年生だが、見事やってくれた。これからも目標に向かって挑戦者のつもりで頑張ってほしい」と期待を込めた。小学生の頃から選手たちを見守ってきた松本透前和商監督は「先輩もなく、土俵もなく、練習は県庁へ出掛けているが、OBたちが協力してくれた。次は高校横綱を狙ってほしい」とエールを送った。
門林三千生監督:選手たちが自主的に努力を怠らないことやチームの仲の良さ、OBが胸を貸してくれて支えてくれる。その全てが強さの要因だと思う。
花田秀虎主将:インターハイの悔しさをバネに、高知ではタイトルを取りたいと集中して稽古した。日本一の結果におごることなく、継続してタイトルを目指したい。
中丸裕一朗選手:試合には出ていないが、みんなの勝つ姿を見て感動した。スピードを武器に僕もみんなについていけるように頑張る。
加藤諒選手:個人戦で花田と決勝を戦いたかった。準決勝では引いてしまったのが敗因だ。次は得意の突き相撲で紙一重の勝負を勝つ。
三崎新太郎選手:中学の頃からこのメンバーで練習してきた。自分もレギュラーを目指し、個人でも結果を出す。
藤井聡一郎選手:緊張していた。団体戦では力不足を感じた。稽古に励みこれからも頑張る。

全国の舞台で旋風を巻き起こした和歌山商メンバー(前列中央・花田選手)

全国の舞台で旋風を巻き起こした和歌山商メンバー(前列中央・花田選手)