小林観諷会が99周年 県文の能舞台で公演へ
和歌山県和歌山市吹上の観世流能楽師・小林慶三さん(86)が主宰する小林観諷(かんぷう)会が創立99周年を迎え、1日午前10時半から午後4時半ごろまで、同市の県民文化会館小ホール能舞台で「謡(うたい)と舞の会」を開く。
同会は大正9年(1920)、小林さんの父・憲太郎師が県内の能楽の普及を願って創設。文化庁認定の重要無形文化財保持者の慶三さんが、今日まで継承してきた。
小林さんは「この土地に育ててもらうという気持ちで、地道な活動を重ねてきました。みんな無事に発表でき、次につながる明るい公演になればと思います」と話している。
当日は10代から90代まで約30人が素謡や仕舞、舞囃子などを披露。大橋彰代さんの舞囃子「胡蝶」や宮楠昂之さんの舞囃子「舟弁慶」、小林さんの番外独吟「猩々」などがある。
初の舞囃子で「吉野天人」を披露する嶋晶子さん(62)は「母も習っていたので、伝統芸能をつなげていきたい、と始めました。まだまだ勉強中ですが、基本に忠実に舞いたいです」とにっこり。学生時代に能をしていたという佐々木愉季子さん(62)は教室に通って10年ほど。「練習しないと次には進めないことも、楽しみに続けられています。先生のご指導のおかげです」と話していた。
入場無料。問い合わせは同館(℡073・436・1331)。