加太の地域活性化へ PT発足で連携会議

 和歌山県和歌山市加太地区の地域資源の研究や活性化のため、東京大学生産技術研究所と市は3月に協定を結び、加太に研究拠点を設置し、地域と連携した取り組みを進めている。25日、市は地域活性化策を検討するプロジェクトチームを発足させ、同研究所や加太で活動する各種団体などの代表との初めての連携会議を市役所で開いた。

 同研究所の川添研究室(主宰=川添善行准教授)は2014年以降、加太地区と連携して地域資源の研究などを進め、留学生とのまちづくり勉強会、砂浜にLED付き風車を並べる「風灯り」ワークショップなどに取り組んできた。加太の研究拠点には今月16日、青木佳子特任助教が着任した。

 連携会議にはプロジェクトチームの市職員12課16人と加太まちづくり株式会社のメンバー、青木特任助教が出席。尾花正啓市長は「地域活性化対策の準備が整ってきたのも地域を思う皆さんのおかげ。研究所とプロジェクトチームで加太と和歌山市のために、そして全国に取り組みを発信するため連携したい」とあいさつ。同社の尾家賢司社長(加太地区連合自治会長)は「小さな町だが、プロジェクトの名に恥じないよう三位一体で前進したい」、青木特任助教は「拠点ができることで、より地元に根差した実践的活動ができると思う。相乗効果で国の課題解決に重要な役割を果たせるような研究ができたら」と思いを話した。

 会議では青木特任助教がプロジェクトの指針を発表。大学の出張授業を通し、周囲を巻き込んで地元の子どもや住民の地域活性化への意識醸成を図ることや、事業企画とコーディネートによる地域資源の付加価値の提案、地域内外への情報発信、まちづくりの拠点づくりなどを通して、加太への関心を高め、全国に先駆けた和歌山発の都市再生モデルの構築、地域活性化を図ると説明した。

 意見交換では加太まちづくり株式会社から、下水道の整備や漁業のブランディングなど加太の課題への取り組みについてプロジェクトチームに要望があり、課題を踏まえた研究を進めていくことが確認された。

 今後、プロジェクトチーム会議は月に1回、連携会議はプロジェクトの節目ごとに行っていくとしている。

加太の活性化に意気込む連携会議メンバー(中央で握手しているのは左から青木特任助教、尾花市長、尾家社長)

加太の活性化に意気込む連携会議メンバー(中央で握手しているのは左から青木特任助教、尾花市長、尾家社長)