やぐらで10年ぶり獅子舞 19日加太えび祭り
和歌山県和歌山市加太、加太春日神社(井関摩美子宮司)の渡御祭「えび祭り」が19日に開催されるのに向け、加太地区では獅子舞や鬼舞(おにまい)など渡御行列の演目の練習が進められている。
祭りは5月の第3土曜日に実施。1597年ごろに獅子舞が神社に奉納されたことが始まりとされている。現在は地区内の各丁から獅子舞や神輿(みこし)、天狗、薙刀(なぎなた)振りなどさまざまな装束の人を出し、町内を練り歩く町を挙げての渡御行列となっている。
桃太郎がたたく太鼓に合わせて赤と緑の鬼が踊る鬼舞も前回から12年ぶりに復活。ことしも8人の鬼役が面を着け、金棒に見立てた竹を携えて踊る。本番1週間前の練習では、鬼役が竹を構え、太鼓の音に合わせて歩き、竹を振り上げる練習に励んでいた。
初めて鬼役をするという県立和歌山商業高校1年の稲野百さん(15)は「前は薙刀をしていたが、自分の住む地区で鬼舞が復活したのでやってみたかった。竹を振るだけかと思ったら動きも多くて意外と大変」、えび祭り初参加の綿林杏さん(15)は「稲野さんに誘われ、はじめは驚いた。ちゃんと踊れると楽しいし、地域の人と交流する良い機会になっている」と話す。
また、ことしは北丁と戎丁が合同で演じる獅子舞が10年ぶりにやぐらで舞う。青年団長の小浦裕司さん(40)が獅子舞経験者や青年団に相談して復活したもので、お旅所(新出浜)で高さ4㍍のやぐらに上がり、半身を乗り出したり、肩車したりとアクロバティックな動きで目覚めた獅子を表現する。小浦さんは「各丁によって獅子舞にも特徴があるので、見てもらえるとうれしい。ここでしか見られない伝統を知ってもらえたら」と話している。
えび祭りは午前8時半から出御祭祭典。渡御行列は10時5分ごろに出発し、神輿は同40分ごろから。神社から加太海岸を巡り、午後4時ごろに神社に戻る予定。問い合わせは同神社(℡073・459・0368)。