県庁が団体戦15年ぶり優勝 全国選抜相撲

 第56回全国選抜大学・実業団対抗相撲和歌山大会(兼田守大会会長)が27日、和歌山市有田屋町の県営相撲場で開かれ、団体戦で和歌山県庁が、15年ぶり14回目の優勝を飾った。前回、決勝で日大に惜敗し雪辱に燃える県庁は、準決勝で日大を、決勝では東洋大をともに2―1で破り、日本一に輝いた。個人戦でも県庁の沢田日出夫四段が3位と健闘した。実業団だけでなく高校生では、和歌山商業高2年生の花田秀虎選手が、102回を数える伝統の高校金沢大会で、個人戦無差別級を制し、同校勢では63年ぶりの個人戦Vを果たすなど、県勢の世代を超えた活躍は『強い和歌山』復活を確信させる素晴らしい成果を上げた。

 大会には大学10、実業団10の全国トップクラスの強豪が集い、地元からは和歌山県庁と㈱松源が出場した。個人戦は大学生53人、実業団40人が参加し、トーナメントで激突した。

 大学生では、和歌山商や箕島高出身の選手も多く、たくましくなったふるさと選手に、地元ファンの声援もひときわ大きかった。

 団体戦は大学、実業団対抗の予選3試合を行い、それぞれの上位4チームが、決勝トーナメントに進出した。

 第1回大会の優勝をはじめ3連覇(第37回大会~第39回大会)、2度の2連覇(第26回、第27回大会・第31回、第32回大会)など輝かしい歴史を刻んできた和歌山県庁だが、前回を含め第50回、第51回大会で準優勝、第53回、第54回大会は連続3位と、あと一歩及ばず大学生の壁に涙をのんできた。

 福本欣弘監督の下、先鋒・沢田日出夫四段、中堅・片村敬也三段、大将・森本太良四段が務め、交代選手として冨田元輝五段、予備選手で冨田有輝五段が控える布陣で臨んだ県庁は、予選1回戦で朝日大を圧倒。さらに勝ちを重ね、決勝トーナメントの準々決勝で、日体大を2―1、準決勝でも、日大を2―1で下した。地元ファンの期待を集めた決勝では、東洋大と1―1の接戦となり、緊迫した空気の中、大将戦で森本四段が、個人戦準優勝の城山四段を押し出しで破り、15年ぶりの栄冠を手にした。

 個人戦は、東洋大の白石雅仁三段が初優勝した。

県庁・冨田(元)五段

県庁・冨田(元)五段