知恵と工夫で外出時の災害対策を

 「家康紀行」のシリーズ中ですが、先週に続き大雨関連の話題をお伝えします。
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 西日本豪雨では、各地でかつて体験したことがない大雨に見舞われ、現時点で200人を超える死者を出す未曽有の災害となっている。
 前号では有事の際の情報収集と自主的な判断基準の設定により、自ら考え行動する防災意識の向上について取り上げた。今週は外出時の対策について紹介したい。
 お勧めしたいのが自動車への防災キットの搭載。例えば携帯型のトイレ。尿をかければ中身が凝固し消臭機能があるもの。日頃の思わぬ渋滞の際でも活躍が期待される。
 ミネラルウォーターはペットボトル容器が一般的なものよりも分厚い仕様で長期保存可能なものが最適。ボトルに直射日光が当たり集熱することにより起きる思わぬ発火や、高温の車内で水が劣化する可能性があるので、光を透過しない収納ボックスに入れるかタオルで巻くなどの工夫が望ましい。
 車に水が浸水し立ち往生した場合、水圧で扉が開かない、電気系統の故障でパワーウィンドウが開かず車内に閉じ込められるケースも往々にある。ガラスを粉砕する車載用のハンマーなどが市販されているので準備しておきたい。
 交通遮断による帰宅難民の発生も、都市圏においては深刻な問題となっている。今回は始発から運転を見合わせる交通機関が多かったが、大阪北部地震の際は緊急停止した電車から降ろされ、復旧まで最寄りの避難所に待機したという人が筆者の周りでも多数おり、土地勘のない場所での被災は怖いと口をそろえる。無理をして帰ろうとせず安全な場所で待機する我慢強さも必要と話していた。
 いつ、どこで発生し遭遇するか分からない災害。備えあれば憂いなし。知恵と工夫で来る災害に備えたい。
        (次田尚弘)