古墳時代の海の民と社会 風土記の丘特別展
和歌山県立紀伊風土記の丘(和歌山市岩橋)で29日から、秋期特別展「黒潮の海に糧をもとめて―古墳時代の海の民とその社会―」が開かれる。
古墳時代に海と関わりを持って生活していた海の民の暮らしや社会を表す600点を展示する。海の民は漁業や塩作り、交易などを行い、釣り針やタコ壺など漁労の道具や製塩土器、副葬品として埋葬された珠文鏡などが並ぶ予定。
海の民に関する遺跡は県内最大の西庄遺跡(和歌山市)をはじめ県内各地に存在しており、西庄古墳から見つかった鹿角製の釣り針も展示。同時に展示される神奈川県三浦半島で見つかった釣り針と形が同じであることから、海の民の活動の広がりも知ることができる。
期間中、10月6日午後1時半から、兵庫県立考古博物館の和田晴吾館長による特別講演会「古墳時代の漁撈(ぎょろう)について」を開催。先着60人。事前申し込みが必要。
特別展講座、ワークショップも行う。講座は10月20日「紀伊の海人と古代豪族」、27日「尾張・三河の土器製塩」、11月3日「三浦半島の洞穴遺跡―洞穴内埋葬から見る古墳時代―」、10日「房総半島の海人の首長墓」、ワークショップは10月14日「製塩土器づくり」、11月18日「古代の塩づくり」――。いずれも午後1時半から。先着30人。事前の申し込みが必要。
申し込みの受付日時、特別展の詳細など問い合わせは同館(℡073・471・6123)。