鉄道テロを抑えろ JR和歌山駅で対処訓練
テロが発生した際に利用者の安全確保と職員の身の守り方を実践するため、JR西日本和歌山支社は14日、鉄道テロ対処訓練を和歌山県和歌山市美園町のJR和歌山駅で行った。
ガスや爆発物などさまざまなテロに関係機関が連携して対応するため毎年実施している。同社と県警本部や和歌山東署、市消防局、和歌山電鐵㈱から約100人が参加。駅の地下改札で無差別に人が襲われる事件が発生し、犯人の供述で地下道の入り口で爆発物が見つかるという想定で行われた。
駅の利用者が実際に行き交う中、「訓練」と書かれたゼッケンを付けた社員が乗り場まで歩いていると、ナイフを持った男が現われ、叫びながら社員を刺して回った。
駅から通報を受けた警察はナイフを振り回す男に「ナイフを捨てろ!」と刺股で応戦し、犯人を確保。消防隊が到着し、「頑張ってください」「名前は言えますか?」と負傷者に声を掛けながら応急処置を行い、病院に搬送した。
爆発物の処理では盾を構え武装した警察が透過装置で中身を確認。動かしても起爆しないことを確認してからマジックハンドで移動させた。
JR西日本和歌山支社の伊藤義彦支社長は「混乱がなくできてよかった。今回はボードで組織の情報を共有するなど、一つの連携の形が取れてよかった。今回の訓練に参加していない人も連携できるように、臨場感のある訓練を今後も続けていきたい」と話した。