和歌山の柿を豪州に輸出 シドニーで販売へ
日本産柿のオーストラリアへの輸出が解禁されたことを受け、和歌山県やJAグループ和歌山などは、2品種約1㌧を輸出する。国内からオーストラリアへの柿の輸出は初めてで、来月からシドニーで販売を開始する。
日本から同国への柿の輸出に関しては、ことし1月25日付で新たな植物検疫条件を満たすことにより可能となった。県とJAグループ和歌山、ジェトロ(日本貿易振興機構)の3者は初輸出に向けて連携し、連絡会議の設立やプロモーションを計画。JA紀北かわかみ(橋本市)所有の園地と県農林大学校(かつらぎ町)の園地が、生産園地の登録や検査などの条件をクリアした。
輸出する柿は主力品種の刀根早生(とねわせ)約0・6㌧と平核無(ひらたねなし)約0・4㌧の計約1㌧を見込み、11日には出発式を行う。刀根早生は大阪湾から船便で20日以上かけ、平核無は成田空港から空路で現地へと輸送。11月には現地レストランのオーナーやシェフらに柿を使った料理を提供し、魅力をプレゼンテーションする。またシドニーのアジア系スーパーマーケット5店舗で店頭販売や試食によるPRも行う。
昨年10月にはアメリカへの輸出が解禁され、ことし1月に続き、同国へも柿を輸出する。品種は刀根早生で、輸出見込み数量は約12㌧。すでに船便で約8㌧分の柿を出荷済みで、9日に残りの約4㌧を輸送する。ロサンゼルスの他、サンフランシスコやホノルルで新規販売を行い、プロ向けセミナーや試食PR活動も実施する。
4日には県庁で記者会見が開かれ、県農林水産部の原康雄部長や同JAの宮崎卓郎代表理事組合長、JA県農の梶本毅樹代表理事理事長、ジェトロ大阪本部事業推進課の古川毅彦総括課長が出席。オーストラリアの季節が日本と正反対である点などを挙げ、消費に期待を寄せた。
宮崎代表理事組合長は「販売先がさらに広がり、期待している。ことしを初年度にまずは3年間、輸出量を増やしながら頑張りたい」と話した。