地元産釉薬を紹介 清水均佳さん作陶展

 和歌山産の果実灰を使った釉薬(ゆうやく)にこだわって作陶する和歌山県岩出市根来の陶芸家・清水均佳(まさよし)さん(70)の展覧会が22日まで、植物公園緑花センター(同市東坂本)で開かれている。

 県が姉妹都市提携を結ぶ米国フロリダ州の西フロリダ大学から招聘(しょうへい)を受け、来年1月から3月まで、同大学内に新設される美術館のオープニングイベントとして作陶展を開くのを前に、地元でお披露目。展示後は、同館に永久収蔵されることが決まっており、清水さんは「土を触って50年以上。研究を重ねたどり着いた和歌山の果実灰の作品が、光栄なことに海外で好評です。ぜひ地元の皆さんに見てもらいたい」と話している。

 会場には、下津のミカン灰や九度山の柿灰で作った釉薬を使い、登り窯や穴窯で焼き上げた、つぼや大皿、茶器など同州に渡る約40点を展示。ミカン釉の大皿は温かみのある白色が魅力で、茶色がかった柿釉の皿は、自然な釉薬の流れが味わい深さを増している。

 また抹茶茶わんは、しっとりとした焼き色の紅志野、全体に粒状のかいらぎ釉がかかった大らかな作ぶりのものなど、趣きもさまざま。

 その他、瀧安寺(京都)の枯山水の石庭をイメージしたオブジェ、桜と桜吹雪をかたどった明かりなど、日本の美を意識した作品も並ぶ。

 清水さんは「向こうでどんな反応が得られるか、怖くもあり、楽しみでもある。和歌山のミカン釉や柿釉の魅力を大いにアピールしてきたい」と話している。

 午前10時から午後4時(最終日は3時)まで。問い合わせは同所(℡0736・62・4029)。

地元釉の作品を紹介する清水さん㊨

地元釉の作品を紹介する清水さん㊨