夢は三冠王 智弁の林ドラフト広島3位指名
2018年プロ野球新人選手選択会議(ドラフト)が25日、東京都内のホテルで開かれ、和歌山県関係選手では智弁和歌山高校3年の林晃汰内野手が広島東洋カープから3位、同校出身で日本体育大学4年の東妻勇輔投手が千葉ロッテマリーンズから2位、御坊市出身でトヨタ自動車の富山凌雅投手がオリックスバファローズから4位で指名を受けた。林選手は和歌山市の同校で記者会見し、「どの方向にも本塁打を打てるのが自分の良さ。将来は三冠王を獲りたい」と活躍を誓った。
林選手は岩出市出身の17歳。小学1年から野球を始め、岩出中時代は硬式野球の「紀州ボーイズ」で捕手や三塁手として活躍。高校では通算49本塁打を放ち、左の強打者として2年夏から3季連続で甲子園に出場し、今春の選抜大会準優勝に大きく貢献した。182㌢、88㌔。右投げ左打ち。
記者会見には中谷仁監督や髙嶋仁名誉監督と共に臨み、「ほっとしている。3巡目でかかるとは思っていなかった」と上位指名に笑顔。目標とする選手に横浜DeNAの筒香嘉智、福岡ソフトバンクの柳田悠岐両外野手を挙げ、「自分のスイングをしっかりできる選手に憧れがある。将来は三冠王を獲りたい」と意気込み、プロで対戦したい選手には、「小学校のころから憧れていた」という同校OBで中日ドラゴンズの岡田俊哉投手を挙げた。
セ・リーグ3連覇中のカープや広島県の印象は「若い選手も多く、勢いのあるチームだと思っている。熱狂的なファンの方の期待に応えられる選手になりたい。広島に行ったことはないが、食べ物がおいしそう」と話した。
阪神や楽天でプレーした元プロの中谷監督は「ここがスタート。目標を持って努力する姿勢を大切にしてほしい」と話し、「プロでの失敗談もいっぱい持っている。これから時間をかけてアドバイスしていきたい。春季キャンプの初日に強烈な印象を残し、来シーズン中にプロ第1号の本塁打を打つよう言っている」と期待。髙嶋名誉監督は「入ってきた時からプロに行くだろうと思っていた。広島は練習もハード。林も練習は好きな方なので、良い球団に入ったと思う。人の2倍、3倍と練習し、がむしゃらに競争してほしい」とエールを送った。
会見後、林選手は3年生の野球部員が待つグラウンドで指名を報告。大きな拍手と歓声が起こり、林選手の体は仲間たちの手で何度も宙を舞った。
エースとして共にチームの躍進を支えた平田龍輝投手は、練習で林選手と対戦した時のことを振り返り、「どの方向にも長打を打たれ、すごいと思った」と話し、「僕も大学で頑張り、4年後にプロの世界で勝負したい」とライバル心を披露。捕手としてマスク越しに林選手を見つめてきた目代康悟選手は「どんなコースのボールにもバットがついてくる。身近な仲間からプロ野球選手が出たのはうれしい。ずっと応援したい。自分も大学、社会人で力をつけ、将来はプロに行きたい」と力強く話していた。