嫁入り時代行列華やか 青洲まつりに5000人

 世界で全身麻酔による初めて乳がん摘出手術に成功した医師・華岡青洲を顕彰する「青洲まつり2018」が28日、紀の川市の道の駅「青洲の里」をメイン会場に開かれた。秋晴れの下、華やかな時代行列や多彩なステージイベントが催され、会場は訪れた約5000人の親子連れらでにぎわった。

 時代行列は、青洲の研究を献身的に支えた妻・加恵の嫁入りをテーマにしたもの。江戸時代の時代考証を基にした創作劇で、出演者の公募には毎年、県内外から応募がある。

 ことし夫婦役を務めたのは橋本市の花岡泰資さん(26)と地元紀の川市出身の東亜美(つぐみ)さん(25)。2人は実生活でも婚約しており、入籍を1週間後に控えての出演となった。

 約40人の一行は、結納にあたる「固めの杯」の場面を名手公民館で演じた後、約2㌔の道を長持唄などを歌いながら練り歩き、青洲の里に到着。古式ゆかしい場面を収めようと沿道には写真愛好家らがあふれ、加恵役の白無垢姿に「かわいい」「きれい」と歓声が上がった。

 花岡さんは「緊張しましたが、大役を務めることができ、すがすがしい気持ちです。お互いを支え合って明るい家庭を築きたいです」と話していた。

 会場には、地元食材を使った「うまいもん横丁」、青洲紙芝居が楽しめる「子ども体験村」、乳がん撲滅を目指すピンクリボンのPR、献血コーナーなど多彩なブースが並び、にぎわった。

 近くに住む妹背順二さん(70)は「定年退職後に関東から帰郷した際、祭りが行われていてうれしかった。地域をずっと守ってきてくれた方々に感謝している」と笑顔。実行委員会の坂本康隆副会長は「地域の人や子どもの参加も増えて、にぎやかでうれしい。道の駅『青洲の里』の活用に希望が膨らんでいる」と話していた。

青洲夫妻の華やかな時代行列

青洲夫妻の華やかな時代行列