強打でカープ引っ張る 智弁・林が入団発表
プロ野球新人選手選択会議(ドラフト)で広島東洋カープから3位指名を受けた智弁和歌山高校3年の林晃汰内野手(18)が10日、広島市内のホテルで新人選手の入団発表に臨み、「一日も早く一軍に上がって長打力をアピールしたい」と早期の一軍昇格へ意気込みを示した。背番号は今季5番打者としてセ・リーグ3連覇に大きく貢献した松山竜平外野手がつけていた44番となった。
林選手は和歌山県岩出市出身。182㌢、88㌔と体格に恵まれ、智弁では通算49本塁打を放った。左打席から左翼方向に特大の本塁打を打てるのが魅力で、甲子園では2本を左翼と左中間のスタンドにたたき込んだ。
入団発表には、新人選手8人(投手2人、内野手4人、外野手2人)と緒方孝市監督、松田元オーナーが出席。カープのレプリカユニホームに身を包んだファン約600人が見守る中、報道陣からの質問に答えた。
共に高校球界を沸かせた1位指名の小園海斗内野手(報徳学園高)らと並んで出席した林選手は、少し緊張した表情を見せながらも、「やっと始まるなという気持ち。自分の一打で球場の雰囲気が変わる打撃を見せたい」と笑顔で力強く決意。憧れの選手にはカープ一筋で通算2000本安打を放ち、巧みな打撃技術から天才と称された前田智徳氏(現テレビ朝日野球解説者)を挙げ、「前田さんのように長打が打てて勝負強い打者になりたい」と目を輝かせた。
今季、打率3割超を残した松山選手の44番を受け継ぐことについては「松山選手は自分と同じ左打者として本当にすごいと思う選手。重みのある背番号に恥じない活躍をしたい」と話した。広島の地元記者がファンからの質問を伝え、将来打ちたい打順は「初回に必ず回ってくる3番を打ちたい」と答えた。
入団発表の最後には、林選手ら新人選手と緒方監督が並び、ファンとハイタッチを交わした。
林選手は「予想以上にファンの人が多く、平常心で話すためにファンの人の方を見ないようにした」と苦笑い。「今は期待しか持っていない。他の新人選手と話して負けたくないという気持ちが湧いた」と闘志を燃やした。今季の3番打者でリーグMVPに輝いた丸佳浩外野手が巨人に移籍し、チームの戦力低下が心配されていることについては「(丸選手の穴を自分が埋めるという)そういう気持ちが大事だと思う」と話した。
会場で入団発表の様子を見守った父の光彦さん(52)は「大勢のファンの皆さんを前にしても動じることなく、しっかりと話せていて良かった。これからテレビで息子をしっかり応援したい」と話していた。
林選手は1月上旬に入寮し、新人合同自主トレに臨む。