和歌山線で高校生演奏 クリスマストレイン

JR和歌山線沿線の高校の生徒たちが列車内やJR和歌山駅前地下のわかちか広場などで演奏する「クリスマストレイン」が9日に開かれた。

乗客が減少傾向にある同線を活性化する取り組み「ワカカツ(ぼくらの和歌山線活性化プロジェクト)」の一環で毎年12月上旬に開かれており、ことしで4回目。和歌山県岩出市の県立那賀高校と和歌山市の県立和歌山高校が参加した。

列車内コンサートは粉河駅発和歌山駅行きの2両編成普通列車の1車両で開かれ、サンタクロースの帽子をかぶった那賀高校吹奏楽部の1、2年生13人が春夏秋冬それぞれの季節にちなんだ7曲を演奏。嵐の「夏疾風」や山下達郎の「クリスマス・イブ」などが車内に流れた。

列車が和歌山駅に近づくにつれて乗客が増え、最後の曲の演奏が終わると、満員の乗客からアンコールを求める手拍子が起こった。部員たちは「テキーラ」を通常の2倍の速さで演奏し、車内は大きな拍手に包まれた。

わかちか広場では同部や県立和歌山高総合音楽部の吹奏楽班と軽音楽班がステージ上で演奏し、集まった人を楽しませていた。

ホルン担当の那賀高校2年、玉置瑞希さん(17)は「列車が少し揺れる中で演奏するのは難しいですが、納得いく演奏ができました。お客さんが楽しそうな表情で拍手してくださったのがうれしかったです」と話し、高校生の演奏を聴くために乗車した紀の川市桃山町の坂口美佐さんは「動く列車の中で楽器の演奏を聴けるのは特別な気分。高校生の楽しそうな表情が印象的でした」と話していた。

車内で演奏する那賀高校吹奏楽部

車内で演奏する那賀高校吹奏楽部