吉報待つ智弁と市高 25日にセンバツ選考委
3月23日に阪神甲子園球場で開幕する第91回選抜高校野球大会の出場校決定が25日に迫った。近畿の一般出場枠は6。和歌山県勢は昨秋の近畿大会4強の智弁和歌山が出場枠をほぼ手中にし、8強入りした市和歌山にも十分可能性がある。県内から2校が選ばれれば、2014年の智弁と海南(21世紀枠)以来となる。運命の日を控えた両校の監督、選手に話を聞いた。
昨年の選抜で準優勝した智弁は4季連続の甲子園出場を目指す。昨秋は県2次予選の決勝で市和歌山を破り優勝。近畿大会でも昨年春夏の甲子園を制した大阪桐蔭に5―2で勝利した。準決勝で明石商(兵庫)に0―12で5回コールド負けを喫した点は不安材料だが、出場はほぼ確実とみられる。
新チームとなった昨年8月から指揮を執る中谷仁監督は「結果を待つだけだと思っている。出場が決まったら開幕から逆算して調整するだけ」と話す。
昨年の選抜で4試合に登板した池田陽佑投手(2年)は「昨年は先輩に甘えていたが、今は最上級生という自覚があり、好不調の波もなくなってきた。新チームが発足した時から選抜を目標にしてきたので、出られたらうれしい」と甲子園を見据える。
野手も旧チームのレギュラー4人が残っており、ノックでは中谷監督が「昨年に比べて動きの意識が高くなった」「投げる球が速くなっている」などと選手の成長を認める場面も見られる。
市和歌山は16年春以来の選抜出場を目指す。近畿大会準々決勝では、優勝した龍谷大平安(京都)にサヨナラ負けし、選抜当確ラインの4強をあと一歩で逃した。半田真一監督は「選抜に出る前提で練習している。選手にも選ばれると信じて練習しようと言っており、練習のモチベーションは高い」と話す。
近畿大会の2試合は1年生左腕の岩本真之介が完投したが、冬場に右上手の柏山崇(2年)が成長。140㌔前後の直球と空振りの取れる高速スライダーを持ち、「冬の走りこみで下半身が安定し、制球も良くなった。先発で投げたい。選抜に選ばれると信じている」と胸を張る。
チームは甲子園を見据え、紅白戦や実戦形式の打撃練習などにも取り組む。半田監督は「やることはやった」と話し、静かにその瞬間を待っている。
選抜大会出場校を決める選考委員会は25日午後、大阪市の毎日新聞大阪本社で開かれる。