糖尿病対策で ろうさい病院に中国の視察団
中国各地の栄養学研究者約10人が13日来県し、和歌山県和歌山市木ノ本の和歌山ろうさい病院(南條輝志男院長)を訪れ、同病院が取り組んでいる糖尿病対策について病院関係者から説明を受けた。
同病院は約10年前に中国の江蘇大学と学術交流協定を締結するなど、中国の医療関係者との間に交流がある。栄養学の研究者が視察に訪れるのは初めて。中国では経済発展に伴う食生活の変化などで、糖尿病患者が増えているという。
病院を訪れた研究者らは管理栄養士から、市民を対象とした糖尿病予防教室を開き、教室では飲料や料理の模型ごとにカロリーや糖質の量を示して食事への意識を高めるよう促したりしていることなどについて説明を受けた。
南條院長は研究者らに、日本では交通事故で亡くなる人の数が減少する一方で、高齢化の影響により入浴中に亡くなる人が大きく増えていることを説明。糖尿病患者の約7割が高齢者とし、「高齢者は筋力と食欲が低下しており、運動と健康的な食事をすることが必要」と強調し、医師が看護師や管理栄養士などと協力し、チームとして糖尿病対策に当たることが重要と話していた。
中国の研究者らは同病院が市民対象の啓発講座を積極的に開いていることが強く印象に残った様子で、糖尿病の予防や治療に管理栄養士が果たす役割について熱心に質問していた。