災害時トラブル対応 和市と弁護士会が協定
和歌山市と和歌山弁護士会は13日、災害時に起こるトラブルを弁護士が仲介し、裁判ではなく話し合いによる早期解決を目指す「災害ADR(裁判外紛争解決手続)」の実施体制の構築などで協力する内容の協定を締結した。
同会は昨年12月、和歌山県と同様の協定を都道府県レベルでは全国で初めて締結。同市との協定は県内市町村で初めて、全国では熊本弁護士会に続いて2番目となった。
同会によると、昨年9月の台風21号による被害発生後、同会の電話相談窓口に3時間半で85件の問い合わせが殺到。大半が家の瓦やカーポートが飛んでしまった、あるいは飛んできて家に傷がついたといった内容の相談だったという。
今回の協定により、弁護士会が災害ADRを実施する場合は市が開催場所の確保や広報に協力し、市が法律相談会を実施する場合は弁護士会が無料で弁護士を派遣する。
協定の締結式は市役所市長室で行われ、弁護士会の山下俊治会長は「(災害ADRは)できれば使わない状況がありがたいが、昨年の災害を見ているとやはり備えておかなくてはいけない。今後は全市町村と締結したい」、尾花正啓市長は「トラブルの早期解決は市民にとっても良いこと。いろんなことが一斉に起こる災害現場で、スムーズな解決にあたれるのではないか」と話した。