美しい松林を後世に 河西緑地で植樹10回目

和歌山県和歌山市河西地区の緩衝緑地帯の景観を美しくしようと、松江・木本・西脇・八幡台小学校の児童323人が12日、卒業記念として松の苗86本を植樹。児童と共に苗が順調に成長し、将来は松林の広がる憩いの場が形成されることを願った。

ことしで10回目の取り組み。苗は、県林業試験場の中辺路試験地で育てられた抗菌性抵抗松で、松くい虫や松枯れと呼ばれる現象に強い品種。同所は約50年前には大きな松が並ぶ景勝地で、美しい景観を若い世代に継承しようと始められ、新日鐵住金㈱和歌山製鉄所と、松江・木本・西脇地区の各連合会が協賛している。

児童らは4人一組になり、あらかじめ掘っておいた約30㌢の穴に苗を置いて肥料を混ぜた土をかぶせ、水分が行き渡りやすいよう、苗の周囲の土をすり鉢状に形成した。

八幡台小学校2組の4人は「土に触れるのは幼稚園以来です」「松の大きくなる未来を想像して作業すると楽しいです」と笑顔。開会式で同校の森下桜輔君(12)は「自分たちの植えた木が成長する姿が見れる楽しみを頂き、ありがとうございます」と感謝を伝えた。児童らは、和気あいあいと作業を進め、植樹日を記した記念碑の打ち込みも体験した。

松江地区連合自治会の川崎敏弘連合自治会長は「植える時に『早く大きくなぁれ』と声を掛けてください」と呼び掛け、河西緩衝緑地管理事務所の千郷優所長は「多くの関係者のご協力で植樹ができありがたい」と話していた。

松の苗を植える児童たち

松の苗を植える児童たち