宿題履行率など低く 経済困難世帯の子ども
和歌山県が本年度実施した子どもの生活実態に関する調査で、経済的困難世帯の子どもは世帯全体に比べ、「授業はいつも分かる」と回答した割合や宿題の履行率が低く、歯磨きや食事などの基本的な生活習慣が定着していないことが明らかになった。
21日の県議会で、公明党県議団の多田純一議員が、子どもの生活実態調査について質問した。
県では昨年7月から約1カ月、小学5年生約7700人、中学2年生約7800人と、その保護者を対象に実態調査を実施。子どもには食生活などの生活習慣や学習状況、健康状態など、保護者には収入や就業状況、子どもとの関わり状況について無記名アンケート形式で回答を収集。子どもの支援機関従事者約2500人にも調査票を配布し、支援者から見た貧困の認識や取り組みに対する意見を収集した。
福祉保健部の山本等士部長は現地点での分析結果を紹介。経済的困難世帯でも保護者の教育への意識が高い場合や自尊感情が高い場合、文化的活動が充実している場合などでは「授業はいつも分かる」と回答した子どもの割合が高い傾向にあることを説明した。
調査結果は現在も分析中で、山本部長は「最終調査結果がまとまり次第、庁内会議で情報を共有し、必要に応じて新政策などを検討する」と述べた。