バナナFMエリア拡大 紀北46万人聴取可能
和歌山県和歌山市のコミュニティFM放送「バナナFM」(87・7MHz)の放送エリアが拡大し、岩出市、海南市の山間部を除くほぼ全域、紀の川市の紀の川沿いや長山団地、有田市と紀美野町、大阪府岬町の一部でも聴けるようになった。
運営するNPO法人エフエム和歌山(山口昭昌理事長)によると、2008年4月の開局時は、対象エリアの和歌山市以外に聞こえてはならないと電波の制限が義務付けられ、アンテナの制御機を設置してきたが、東日本大震災や昨年の西日本豪雨、台風21号など大規模な自然災害が頻発する中、コミュニティ放送が地域の減災に果たす役割の大きさが指摘されるようになり、今回のエリア拡大につながった。
同局は、緊急時に自動起動する防災ラジオや日本初の人工知能(AI)アナウンサーの開発、運用などに取り組んでおり、技術を生かしてより広い地域に災害報道を発信するため、2月25日に総務省の許可を得て、放送エリアを制限してきたアンテナ制御機を調整し、電波が市外にも届くようにした。
今回のエリア拡大により、放送が聴取できる人口は県全体の半分、約46万人となり、和歌山市内の難聴地区だった加太、冬野、田ノ浦、雑賀崎でも改善が確認されている。今後は同市だけでなく、より多くのエリアの情報発信を目指す。
山口理事長は「紀北の人々のコミュニティが広がり、一つになれたらと思う。これからは岩出市や海南市、紀の川市の情報を発信できるように、協力をお願いしていきたい」と話している。