野球できる感謝胸に 選手の家族も声援
「野球ができることに感謝し、悔いのないように自分のプレーを出して楽しんでほしい」。山田佳吾選手の父の篤史さん(46)と母のこずえさん(43)、姉の紗弥加さん(19)が1塁側アルプスに駆け付け、山田選手の勇姿を見守った。
山田選手は昨年8月の練習中に左肩を脱臼。試合に出ることができず、悔しい思いをした。半田真一監督からの「待ってるからな」の声が手術に踏み切る勇気を与えてくれた。
手術後は年末まで体を動かさず安静に過ごし、ことし1月から軽いキャッチボールを開始。持ち前の前向きな性格と切り替えの早さで懸命にリハビリに取り組み、予定より早い復帰を果たした。
家族には「みんなが自分を甲子園に連れて来てくれたので恩返ししたい」と活躍を誓った。篤史さんは「諦めない姿勢が大事。最後まで大きな声を出して全力で戦ってほしいですね」とエール。こずえさんは「とにかく楽しんでほしいです」と温かいまなざしで見守った。
紗弥加さんは山田選手について「大口たたくことがあるけど、実際はビビり」と話し、「初戦の前日は『眠れない』と連絡が来たけれど『頑張って』と返した。やるときはやる男です」と笑顔だった。
山田選手は6番レフトで先発出場し、2回裏にはレフトへ、4回裏にはライト前へヒットを放ち、得意の広角に打ち分ける打撃を家族の前で見せつけた。