自転車でまちづくり 全国初のサミット開催
自転車による観光振興や住民の健康増進を図る「自転車を活用したまちづくりを推進する全国市区町村長の会」(会長=菅良二今治市長)による第1回全国シクロサミットが23日、和歌山市毛見のわかやま館で開かれ、加盟する市区町村の代表らが、自転車活用への士気を高めた。
同会は全国299自治体(うち近畿57)が加盟し、昨年11月に発足。サミットでは自転車の利活用や自治体の連携に向けたシンポジウムとサイクリングが行われた。
開会では会長の菅市長が「1回目となるシンポジウムを盛り上げ、自転車で走って機運を高めたい。『やるぞ』という気持ちを高められたら」と思いを述べた。自転車活用推進議員連盟会長の二階俊博自民党幹事長は「自転車1台あればできて、健康に効果的というスポーツは他にはないと思う。自転車振興を全国で進めてもらいたい」とあいさつした。
自転車新文化基金会の羅祥安(ら・しょうあん)会長は「ワールドオブサイクリング サイクリングの世界」と題した基調講演を行った。
台湾の自転車メーカー「ジャイアントグローバル」の最高顧問である羅会長は、自社の取り組みと台湾が自転車の聖地と呼ばれるようになるまでの経緯を紹介。約10年前、自転車が盛んではなかった台湾で、同社は新しい自転車文化を導入してサイクリング・アイランドにしようと動き始めた。レンタサイクルの専門店や台湾を自転車で一周するイベントを開催。国内で機運が盛り上がり、政府が国内一周できる自転車専用道を整備するなどしたことを話した。
また、地方自治体が自転車を盛り上げるには、トップによる長期的な政策やサイクリングロードの整備、専門店のような中核となる部分をつくることなどが必要だとした。
その後はエッセイストの一青妙さんや㈱シマノ、花王㈱和歌山工場などによる関連講演、参加自治体によるパネルディスカッションが行われた。翌24日は「わかやまサイクリングフェスタ」に参加した。